ヒトヅマの、ひとりルネッサンス

日本では先週放送されたらしい『人生が変わる一分間の深イイ話』における「独身貴族元宝塚女優Yの華麗なる生活」という特集をようやく見ることができました。いやあ宝塚教ってスゴいね! もとトップスターさんのファンクラブが主催するお誕生日会という事で、どう見ても私より年上っぽいファンクラブの会員さん達が箱根のお料理がとっても美味しいリゾ婚系邸宅フレンチに集い、まるで小学校のお遊戯会みたいに「せーの」でお題目を唱和してるよ。「生まれてきてくれたことに感謝します☆」とか、「悠河さん(5年くらい前のもとトップスターさん、私とほぼ同世代)は、私たちの最高に輝いている美しい薔薇です。好きだよ、ずーっと★」とか、おそろしく宗教的なフレーズを一糸乱れず。ほんと、ヤバいわ。


…しかし、「休みが5日あれば海外に飛んじゃう」ってそんなにスゴい事? 私、別にスターでも何でもないけど働いてた時はやってたけど。行先もパリとかNYも行ったけど。むしろもっと短くても香港とかバンコクくらいなら余裕で行ってたけど。手配したその週のうちに飛ぶとかしたこともあるぞ、まあ行先はグアムとかマカオだけど。しかも結婚してからもやったことあるし。


ついでに、「オペラを観て、幕間にグラスシャンパン片手に、髭男爵ばりにひとりルネッサーンス」もそんなにヤバいかしら? 私、ほんの1年弱前に似たようなことやったけど。まあそれは初日ガラなんていいものではない通常公演で、場所はNYのMETだったけど。でも、もちろん、ひとりで(※既婚者)。


…私、もしかして宝塚スター気取り?しかも、イタい系の?


むしろ、なんでスパークリングワイン類売ってないんだー!と宝塚大劇場とか東京宝塚劇場(もしも売ってる場所があるなら教えてください)へ足を運ぶたびに、幕間に思っている私である。ビールはあった気もするんだけど、本当、何で売ってくれないの。私は宙組ベルサイユのばら〜オスカル編』の一幕ラストの、あの異様に出来のいい空飛ぶペガサス観た後には思いっきり一杯やりたかったよ。お芝居とショーの二本立てとかならなおさら一杯煽ってあの、派手すぎて笑っちゃったりウットリしたりと毎度忙しくて大変なショーに備えたいし。えーっとそんな中で唯一今年の星組公演『太陽王』のときはひとりで飲んだ気がするけどでもよく考えたらアレ、歌劇団の常設劇場じゃなくて、「海外招聘ミュージカルもどんどんやりますよ」というウリでまだつい最近できたばかりの東急シアターオーブだったわ。しかも周りの人みんな貧乏くさく(すみません)そこらじゅうに座ってコンビニのおにぎり食べてて、近代的な劇場で豪華な、しかも(宝塚歌劇としては)衣装も楽曲もセットもモダンでおしゃれなお芝居観てるのに何か間違ってる、とか思ってたけど、実は間違ってるのは日本で宝塚観てるにもかかわらずひとりルネッサンスしてた自分のほうだったかも知れない。



ちなみに去年、ダンスの先生のお誕生日会をプロ駐在妻ミカリン(仮名)のおうちでサプライズ主催したことをおぼえているオットは今回の映像を観て、「『生まれてきてくれてありがとう★』とかって唱和しなくてもよかったのか。それはスターに失礼ではないのか」とまじめに心配していた。うーん、別に私たちはファンクラブではないから別にいいのかもしれないし、わざわざお誕生日会を開くからにはやらなきゃいけなかったのかもしれない。そもそも先生がスターだった時代のファンクラブにあの唱和する習慣があったのかどうかもよくわかんないし。


…何かいろいろなことがあれこれ間違っている気がしないでもありません。正解って何なんでしょうね。