ああ、無情なダブル観劇 〜「レ・ミゼラブル」(ブロードウェイ版)

と、いうわけで人生初のマチネ・ソワレダブル観劇です。…本当は基本的にダブル観劇ってしたくないんですよね。せっかくの観劇の記憶が薄れてしまう気がするので。まあでも、『アラジン』の前方席とあれば仕方ないよね!


マチネは14時開演16時45分終わり、ソワレは20時からと時間が空くので、いったん12ブロック歩いてホテルに戻り、日本にもあるフレンチ・ブノワでお手頃プリフィクス(いわゆるプレシアターディナーってやつです。NYの場合、ミッドタウンの美味しいお高いお店に限って設定があったりするので、大好き!)を食べた後、再度10ブロック歩いて夜は夜で予定通り義父母と『レ・ミゼラブル』を観に行きました。ああ、たくさん歩いて健康。土曜のマチネならタクシーも拾えなくはないけど、何しろチケット貧乏ですからね、足で稼ぎますとも。そして私にとってブロードウェイは花のみち(※阪急宝塚駅宝塚大劇場を結ぶ遊歩道的な道路。全行程徒歩で10分程度)よりも明らかにホームな感じなので歩きやすい歩きやすい。


さてここからは身内の話になって大変恐縮なのですが、本来観劇には一切興味がなさそうな義母(大阪のおばちゃん)、頼むから上演中、しかも幕間直後にアメのビニールを剥くのはやめて欲しかった。1幕ラスト間際とかなら辛抱たまらず…って感じでまだ仕方ない部分もあるのだけど、そういうことは幕間にしておいてくれー! 一階最後列だったから敢えて注意はしなかったけど…チケットも彼らがよく使ってる某カード会社の上級カード保持者向けサービスデスクを通して買ってもらっちゃったから文句も言いづらかった悲しい嫁の立場なわけだけど。。。しかしあの会社、曲がりなりにも一般会員よりはお金落としてるはずのデスクであんな席を寄越すのってありなんだろうか。もしくは義母、過去にも何かやらかして既にブラックリストだったりして…。




さて、本題の『レミゼ』感想です。私は恐らくは2000年前後、東宝ミュージカルで観たきりの14年ぶり2回目という感じ。ちなみに当時のバルジャンは美食アカデミーの人こと鹿賀丈史で、そうかあの異様な非日常感は舞台の人だからこそ出てくるんだなと妙に納得していたのを記憶しています(笑)


・土曜の夜ということもあり、観客終始大盛り上がり。口笛・ブラボー当たり前。 むしろ酔ってる。ちなみに劇場のドリンクスタンドには水とアルコールしか置いてません。劇場内って寒いから、コーヒーか紅茶くらい出してくれるといいんだけどなあ。
・キャストは歌唱力最重要視という感じ。そういうわけでえーっと、アンジョルラスが黒人の大男な役者さんでビックリした。そんなこと言えば東宝ミュージカルのレミゼなんて全員黄色人種なわけだし、今回エポニーヌも黒人だから肌の色は関係ないと思うんだけど、バルジャンやジャベールより圧倒的に強そうなのはちょっと…。
・とにかく一曲終わるごとに大拍手。そうだよねみんな「あの曲」がナマでがっつり聴きたいんだよね! という感じで、何かちょっとガラコンサートを観てるような気分になった。自分の拍手の打点の高さは絶対ブロードウェイのせいだと思う。
・あれ、バリケードが回らないよ?(っていうか昔の東宝版は回ったよね?すごくカッコよかったから今でも覚えている)これ、ここの舞台機構上の問題なのかしら。それとも、新演出版ってみんなそうなのかな? そのせいかちょっと、個人的には間延びしたのが少し残念。
・ガブローシュが歌ってる時に、またしても義母が、周囲に聞こえるレベルの声で「こんな小さな子供がこんな時間に舞台出てていいのぉ?日本だと紅白とかも出れないでしょう、ねえ?」と両脇の義父と私に聞いてくる。言われてみれば確かにその時点ですでに22時過ぎだったんだけど、でもそれって終演後に話してもいい事なんじゃないかな…
・学生/市民アンサンブルの場面で思わず、またしてもベルばらを思い出していたのは内緒ですがすでに自分の中ではお約束な気がします(『オスカル編』は特に、宮廷シーンが全く存在せず、代わりに球戯場の誓いもどきのシーンがあるなど市民色が非常に強い。衣装も似てる、まあこれは舞台は同じパリ中心部の下町、時代考証的にも40年くらいの差しかないから逆に当然なんだけど)。
・でも、確かにお馴染みの「あの曲」がしっかり聴けるってすごいよね。1幕最後の“one day more”とか、やっぱ震えたもの。


…と、なんだか妙に冷静じゃん! やっぱダブル観劇なんてするもんじゃない、かも知れない…。