南米航路、エアラインつれづれ

オットの夏休みに祖母の初盆、と何かと予定があるので、当初は「あなただけ大阪でヴァカンスして来ればいいじゃん」と言っていたのですが、結局私も、またしても日本へ一時帰国することになりました。っていうかこれだけ往復してたらもうソレって一時帰国というよりもデュアルライフ・パラレルライフだよなあ。

そこで帰国便つれづれです。昔は名古屋・小牧からもLA経由でヴァリグ・ブラジル航空が飛んでいた南米便だけれど、いまやJALサンパウロ便すらなく、どこかでまじめに経由しなければいけない時代。南米なんて地球の裏側なので、北米・欧州・中東、どこを経由しても五十歩百歩です。というわけで、南米(行先はとりあえず一番就航の多いブラジル・サンパウロ)に飛んでいる飛行機について、今までの旅行経験なども併せて列挙します。


【欧州経由】
ルフトハンザドイツ航空…「名古屋へ帰る」が目的なら、乗り継ぎが最短のエアライン。南米発券は高額なので、当日朝でも4か月前でも同じ値段(25万円前後)でエコノミーが予約できる。逆に名古屋便の場合、南米行はトランジットがものすごく長いので、空港で大人しく過ごすか、市街地(タクシーで30分50ユーロ強)に出るか迷うところ、ただしドイツは免税手続きを安い金額の買い物でもしてくれるので、あれこれ買えば結構オトクかも。ディレイの時にはエコノミーの待合いでもサンドイッチが出るなどサービスも良い。飛行機はドイツらしく清潔。エコノミーは座席広め、スパークリングワインも出る、機内食も死ぬほど不味くはない、と文句なしだし、機内エンターテイメントはブンデスリーガと英プレミアリーグが観れてサカオタには歓喜のひと時も過ごせる。ただしビジネスはやや狭いライフラットで食事もテーブルクロスも引かないまま素気ないお盆でのサーブ…といまいち「トクベツ感」に欠けるので、「飛行機はビジネスが基本」というドライなユーザー以外にはあまり楽しくない。
エールフランス航空…AFのターミナルはシャンパンにチョコレートにブランドもの…と免税店がとにかく豪華。逆に、座席はビジネスですらファブリックに毛玉があったりと微妙だった(ただし、フルフラットじゃない割には寝心地はよし)。食事は美味しいの一言で、ビジネスともなると下手なビストロよりも美味しい。ワインも人気銘柄の連発で楽しいし、デザートは3種盛+αの大サービス状態。エコノミーは乗った事ないけど、食事が追加料金でいろいろ選べて楽しそう。「機内でも美味しいものが食べたい」人には最適。成田・羽田・関空で発着しているので利便性はまずまず。個人的には、ちょっと高めなのだけど、パリは好きだからエコノミーも乗ってみたい。ケージ込5キロまでとハードル高めだけど、ペットの機内持ち込みも可。
・TAMブラジル航空…ANAでもJALでも、日本⇔欧州便だけでも日系航空会社に…!と思うと欧州⇔南米区間で避けて通れないエアライン。エコノミ―・ビジネス共通でキレイじゃない、トイレ掃除しない、機内食不味い、何よりブラジル人乗客のモラルがひどくて人の荷物の上にも平気で重い荷物を何も言わずに載せてくる…など最悪。そしてなぜか機内に冷たい空気が漏れてきて異常に寒い。ただし、なぜかアメニティだけはエコノミーでもSQ並みにあれこれくれるのでちょっと嬉しい。

【北米経由】
ユナイテッド航空そこそこ清潔感もあるし、ビジネスはフルフラットシートだし(配置は変だけど)、ブラジル人乗客のモラルも高め、何より南米発着便の値段が(ESTAの金額を入れても)安いのでオススメのエアライン…だけど、問題はエコノミーのシート。100ドル追加料金を払わないとほかの航空会社のエコノミーに比べて20%くらい狭いんじゃないかというシートに座らされる。ユナイテッドのマイレージ上級会員になっていれば無料で「広めエリア」に座らせてくれるそうだけど、それでも、ねえ。これなら全席「広め(何度も言うけど他のエアラインのエコノミーレベル)」にして、定価を100ドル上げた方がいいんじゃないかと思うんですけど。それでも安いし。機内食はイマイチ。ペットの機内持ち込みは可。
※北米経由の場合、荷物を一旦ピックアップして再チェックインしなければいけない…というルールがネックになると思いますが、実際には既に出てきている荷物を持って10メートルほど歩くだけなので意外と楽です。ママがひとりで子連れ、というパターンでなければオススメ。ただし、「宝石をスーツケースに入れていたら盗まれた」という駐在員妻のうわさも聞くので、その辺は自己責任になりますが。

【中東・アジア経由】
エミレーツ航空…豪華な機内エンターテイメントとエコノミーでも座席がガッツリ倒れるのがウリですが、個人的には、モロッコに行った時に前に座った巨漢のアフリカ人が思いっきりガッツリ倒してきたのであまりいい思い出がないエアライン。自慢のテレビも見られず、食事の時間すら「当機はリクライニングの深さが特徴ですので…」とCAが前の人に座席を戻してもらうのを拒否してきて、結局ギャレーで食べた…ってヒドくない?SATCの映画第二弾で出てきた「キンキラの個室ファースト」のインパクトが強すぎるせいかビジネスもそそらないので、いつか宝くじでも当てたらファーストに乗ってもいいかな(爆)ドバイの空港も金製品ばかりであまりそそらないし。昔名古屋に一瞬だけ就航していた義理で、名古屋駅から関空までのバスが出ているのは、名古屋ユーザーにとって好印象か。
カタール航空…ビジネスはやたら広くて豪華。サンパウロブエノスアイレスのわずか2時間のフライトでもシャンパンが注がれ続けてクロス引かれて自由選択の軽食を出してくれたのには驚いた。エコノミーは今夏オットが使うらしいので、待て次号。日本・南米とも出発が夜中・到着が夕方なので、時差ボケには一番強いエアラインだと思われる。就航都市は成田・関空だけど、新幹線であちこち移動できる時間帯だし。
シンガポール航空…愛してるSQ!南米便飛ばしてくれてありがとう!機内エンターテイメントも、エコノミーにフットレストがあるところも、エコノミーでも手を抜かないアメニティも相変わらずで、ほっこり。でもバルセロナシンガポール経由はいくらなんでも遠すぎた…。でも、スペイン旅行するときには迷わず使おうと思います。ビジネスの長距離はウルトラ豪華らしいので、世界一周航空券とかならチョイスする価値アリかも。

【日本の航空会社】
JAL…ビジネスの和食の味は最強。シートも、古いものでも寝心地は上々だったので、ロンドンやNYに就航してる新しいビジネスはいかばかりか。エコノミーも乗ってみたいけど、TAMかアメリカンがパートナーなのが何とも…。エールフランス名義の共同運航便で日本便をJAL機材にするのがいちばんエレガントだけど、でも、高いんですよねえ。
ANA…倒れて来ないスライド式のシート、フットレスト、「和風ビビンパ」に「あんかけチャーハン」に「デミグラスソースのロコモコ丼」になぜか茶そば添えと…もはや和食でも何でもないけど日本人のジャンク魂を満足させてくれるメニュー、何だかんだ言って海外エアラインのビジネスクラス並みにやさしいCAと「もはやビジネスの意味があるのか」状態のエコノミーは最強だと思う。ビジネスは、機内食は白米を除いてJALに完敗、ただしボーイング777の新しい機材の座席はロボットみたいで立派。難は、エコノミーだとスーツケース1個しか持てないところか(ルフトハンザとユナイテッドも追従するらしいですが…)。


こんなところでしょうか。いやあ、いろいろ乗ってるなあ。社用族の家族、かつマイルが膨大に溜まってしまっているのでビジネス経験も増えてきたし☆(←自分の稼ぎでもないのにエラそう)でも、私が酷評しているエミレーツのエコノミーも、前の人が日本人だったりすれば「広くて快適だった!」となるし、逆に愛するANAエコノミーのスライドシートも、足の長い人からすれば「前にズレる席だから膝が苦しくなる」となるので、人の好みはそれぞれよね。


ちなみにペットの機内持ち込みに関しては、今は、中東系・日系を筆頭に、できないところも多くなっている模様。ルフトハンザに関しては、貨物室のペットも乗り継ぎ時間は一括して「ペットラウンジ」でお世話してくれるらしいけれど、なまじ持ち込める範囲の体重になりそうなペットを飼ってしまった今、最終的な本帰国便はいろいろ考えることになりそうです。エアカナダとか、あとエコノミー限定だけれどデルタなら、持ち込みできそうなのよね。

ただし、日本語はおろか英語すら満足に通じない国との往復となると、日系航空会社で全行程往復したいのになぁ…と思うのが本音です。実際、この日記でもまだ20代にして「こーいう訳のわかんない国だと日系エアのありがたみが身に沁みる」JALモスクワ便を絶賛している自分がいるし。JALさんあたり、サンパウロ便復活してくれないかなあ。もし来てくれるなら、就航機材が787でも乗っちゃうよ!(←本気か?)