感性の瞬発力

当初はこんなことを言っていましたが、その後、毎度おなじみのこの街での恩人(この1年ほどのこの日記を見て、推して知るべし)のご縁で、一時はテレビの特番や情報誌のインタビューで見かけた日本人キャストの方とお知り合いになる機会もあり、行ってきました4年ぶりのシルク・ド・ソレイユ『コルテオ』に!

ああこれ、すっごく好みだった“天使とシャンデリアがバンバン飛ぶやつ”のショーではないの! …というわけで、同じ演目を観るのが2回目と言いつつとっても、本当に楽しませていただきました。あのね、私、ユーミンの1995年『INTO THE DANCING SUN』ツアーの「SWEET DREAMS」で出てきた“天使と悪魔がフライングしてクルクル回る中、ミラーボールに乗ったユーミンも浮かび上がる”という演出や、浜崎あゆみの2001年のドームツアー本編ラスト(たぶん)の“「ENDLESS SORROW」を歌いながら、歌詞通りにひとつしかない大きな翼にドレスのあゆがミラーボールに乗って上昇する”シーンが死ぬほど好きなんですね。あと、globeの『Relation』ツアーに代表される微妙に抽象的で明るくないストーリー仕立てのコンサートも好きだからこの『コルテオ』の雰囲気はやはり好み。いや、我ながら何十年もブレないね!好みって何歳になっても変わらないものだね!

そしてさらに、図々しくキャストの方に、バックステージツアーまでご案内いただくことに。


…えっとね、すごく面白かったです。すごく面白かったのだけど、もっと面白かったのは、同行者たち。チケットの買い方とかがイマイチわからなかったので、実は私、先日知り合った現役のうちの大学のこの国の語学専攻の留学生女子3人を連れて行ったのだけれど、彼女たちのはしゃぎっぷりがメチャクチャ楽しかったの。なんてフリーダムなんだ●●●●●語学科!!! 白人ベビーフェイスムキムキ男性キャストに遠慮なく記念写真を申し込む、舞台裏の練習施設の吊り輪にぶら下がっての記念写真を求める、挙句に滑り止めの白い粉に手を突っ込む…など。器械体操出身のキャストさんが「あ、この粉、普通に器械体操で使ってるやつですよ」なんて苦笑してたよー。

おかげで、すっかりはしゃぐタイミングを失ってしまった私です。「こんな、こんな、シルク・ド・ソレイユの舞台裏が観られるなんて、テレビ局にでも就職しない限りムリですよね…」と感涙にむせんでいたけれど、いや、テレビ局でも情報バラエティかドキュメンタリーの制作担当じゃないとなかなか難しいかもしれないよ?(今度、まさにシルクの協賛企業であるフジテレビで制作ディレクターをしている大学の元クラスメイトに聞いてみよう。この間『マイケル・ジャクソンイモータル』に行ったらしいし)とツッコミを入れつつ、それが素直に口に出せてしまう若さと、感動の振り幅の大きさにちょっと感心してしまった。やっぱり感性の瞬発力が違うな、と思った次第です。通訳はもちろん、なにげにそういう大げさなリアクションを期待していたのも事実なのだけど、いやあ、若い子を連れて行ってよかった。


ところで気分だけは若いつもりでいたのだけれど、実は私と彼女たちの年齢差って、思いっきり、新卒の頃イヤミで陰険でヒステリーで恐ろしくて仕方なかった「管理部門のお局様」と同じ(だって、それこそ『Relation』を追っかけてたのが学生時代だし)。年を取っていくうちに、知らない間に色んなものが少しずつすり減って、ねじ曲がって、鈍くなっていくのだなあ…と今回あらためて気づいてしまった。本来ならアフターショウゲストのステッカー貼ってもらえるだけでテンションMAXなキャラクターではなかったか自分!!! 
素直に喜べる気持ち、それを表現できる素直さ、私も大切にしたいなあ…。