非国民って言わないで

moeringal2014-06-20

レシフェが」「ナタウが」「クイアバが」南米某国に住む私の周辺が俄かに慌ただしいです。サッカーを知っていても知らなくてもワールドカップ日本代表戦は生観戦に出向くのが暗黙のうちにアタリマエって…相変わらず「パンがなければケーキを」も真っ青の贅沢さを誇る南米の駐在妻たちだ。「サッカーW杯を現地観戦する」それが一生の夢としている人も世の中たくさんいるのにね、例えば私みたいに。


そんな私ですが6月19日、誕生日の翌日、なぜかナタウ(日本の報道では「ナタール」が一般的ですが、「ナタウ」とラ行を発音しないのが現地風です)ではなくサンパウロのスタジアムにいました。ハッキリ言います、わたしは今の日本代表が好きで好きで仕方ないのですが、今住んでいる街から交通の便が良く、かつ手に届く範囲の値段でチケットが買えそうだったこのウルグアイ×イングランドもどうしても観たかった。だって、そういう強豪国同士のガチ勝負なんてなかなか観られないじゃないですか。しかも、南米×欧州。


そして迎えた試合当日。「グループリーグD組の“D”は死の組(=Death)のD」と前評判通り、イングランドはイタリアに1敗。そしてウルグアイは誰もが噛ませ犬だと思っていたコスタリカにまさかの1敗という状況で、さらに緊迫したものとなりました。気温は20度弱、乾燥気味、くもり空、気象条件もサッカー的には完璧だったと思います。



いやーーーーーーーーー、すごかった。ひとつひとつのプレイの次元が違った。何ですかね、レシフェ(こちらも「ヘシフィ」と発音するのが当地風だけどなぜか駐在妻の間では使われない)やナタウと違って涼しいっていうのもいいんだと思うんですよね? だって、この試合出てる大半の選手よりもいいクラブに所属できてる選手だって日本にはたくさんいるじゃないですか、ほらマンUとかミランとかインテルとか。つまりこのスピードでも全然ついて行ってやれてるって事ですよね?


あとは観客のレスポンスもすごかったなあ。ブラジルの隣国・ウルグアイから人が押し寄せてきているのは予想できたけど、思った以上にイギリスからも人が来ていた(少なく見積もっても、観客6万2000人中で1万5000人以上はイングランド・サポだったんじゃないだろうか)。何がすごいって、拍手、ブーイング、掛け声、すべてのレスポンスがリアルタイムで行われていた事。ウルグアイイングランドもそうで、その2か国でも拍手の基準やブーイングの基準は違っているっぽかったけれど、あれだけダイレクトにプレイの評価を出されていたら、そりゃ選手も修正しやすいと思うんだ。単に「元気づけられる」とかそういう単純な話ではなくて。


とにかくなんていうか、言葉にできないすごい試合で、正直なところ寝付くのが大変だった私です。最近、そういう感動系ライブに立ち会ってしまうことが多くて辛い、いや、刺激的すぎて嬉しい。ほんの1年前、「コルテオ」を観たときか何かに、「感性が鈍くなっているのではないか」と杞憂していたのがまるで嘘みたい…え、日本のギリシャ戦? もちろん応援しましたよ、試合後、ショックのあまり立ち上がることができないイングランドサポの兄ちゃんたちを隣に残して脱兎のごとく会場を抜け出し、元上司・Oさん宅のホームパーティ(つまり、プライベートなパブリックビュー)へ直行して。でも、いろいろ思う事はあるのだけれど、あのイングランドやあのスペインと違って、3戦目に希望が残ってるだけマシだ、とも思う私ってポジティブすぎる?