永遠のジャック&ローズ

すみません、コリンチャンスのサポーターにまぎれて、日本にいます!しかしどうにも、寒くて体が動きません!


そんなわけで日本に行くまでの話でも記録しておきます。何やかやで南半球への往復も7回目となる自分ですが、今回は初めて!!!太平洋ルート、米国経由の飛行機に乗りました。だって安かったんだもん。安い理由はいくつかあって、そもそも人口2億人を超える南米最大勢力・ブラジル人に不人気。彼ら、事前にビザというか領事館レターか何かがいるみたいなんですね。実際、米国経由って必ず入国審査を受けなきゃいけないんだけど、「ほんとうは家族全員分のビザがいるんだけどひとり分しかない」的な押し問答をして行列を塞いでいる輩が何人もいた。でも結局通してもらってるっぽかったから違うのかもしれないけど。逆にアメリカさん、奴らにはもうちょっと明確にレクチャーしてあげてください。

そして次の理由として、特にユ●イテッド航空は座席が狭い。死ぬほど狭い。世界の成人の大半よりも小柄な日本人女性で、かつ足も短くがっしりした自分ですら、デフォルトポジションで前の席に膝がつくくらい狭い。100ドル追加すればようやくルフ●ハンザの通常エコノミーくらいの座席になるんだけど、それもなんだか、ねえ。騙されてるみたいで。


しかしユナ●テッドにもいいことがあって、なんと!!! クラシック映画として『タイタニック』が入っていたのだ。これはいい。眠れないロングフライトでは最強の時間つぶしアイテムである。なにしろ映画館と実家に今もあるはずのビデオとTV放映で何回も見ているので筋もわかっていて、だから途中で少々居眠りしても何ら問題はない。…そんなわけで、かれこれ10年ぶりくらいに『タイタニック』をほぼ全編観た。いや、合コンから帰った金曜の夜に、船が沈むところだけ何度も観てたんだけど、ほぼ全編は久しぶりだった気がする。


さて、実は3D版で今年公開されたらしい『タイタニック』、改めて見ればやはり傑作だった。冒頭の潜水艦メンバーは記憶のイメージよりずっと腹黒い感じだったし、老ローズと娘(孫?)の態度のデカさも気になるし、「何でローズはこいつじゃダメなんだろう、結構ガッツも追い詰められた時のサバイバル力もあるし、ローズの事は好きっぽいじゃん」という印象だった婚約者のキャルドンはよく見たら“ちゃぶ台ひっくり返す系”のDV野郎でやっぱりないな、ということがわかったし。そしてやはり泣けるのだ。私はもう、これから沈みゆく船を想って冒頭のセピア色の実写映像から泣いた。終盤の泣きのシーンを代表する弦楽器チームが最初に出てきたシーンでも泣いた。ちなみにあの、船首でふたりがキスをする有名なシーンはたぶん初見じゃなくて、リピートすればするほど泣けるシーンだと思う。それから起きる出来事がわかっているから、あの幸せな雰囲気に涙が出るんだよね。ちなみに、当時は未だ華奢な美少年系だったレオナルド・ディカプリオに比べてあまりにもデ●なケイト・ウィンスレットの体型も、リピート4回目以降くらいからは何とも思わなくなった。少なくとも例えばクレア・デーンズの体型だったら、氷山に近い冷たい海の水に腰までつかりながら船の中を歩き回ったり、しかもそこでガラスを割って斧を振り回したり、降ろされるボートから無理矢理船に飛び移ったりというような体力勝負の場面が説得力なくなるような気がして仕方ない。だから今見ればローズは、もう最初から美女だったりもする。


…はたして、「まだあと5時間もあるのか…」と思っていた残りフライト時間はあっという間に2時間を切った。前半はちょいちょい居眠りをしながら見飛ばしていたけれど、氷山衝突後は、それまでもちょこちょこセリフがあったり思わせぶりにジャックとローズのそばを通り過ぎたりしていたエキストラ達が、文字通りゴミのように死んでいく様子にただただ呆然としているうちに、時間は経ってしまう。今回も、演奏を続ける弦楽器チームに涙していたり、航海士の自殺に呆然としたりしているうちに、気づいたら船が垂直に海面に沈んでいた。ちなみにこの映画の主役は、やっぱり「処女航海で沈んだ船」なんだと思う。実は、ジャックとローズは船の存在を等身大に見せるためのナビゲーター。船の沈みっぷりにこそ私は何度でも唖然とし、イメージの世界の中でふたたび船が往年の輝かしい姿を取り戻すラストシーンに、また涙するのだ。


それにしてもタイタニックは公開後15年経った今もなお、麻薬である。これほど簡単に時間がつぶれるものはない。私は帰りにも見るよ、きっと。

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