あの家に帰ろう〜今期のドラマ3本

介護に疲れた母が「ハードディスクで簡単に録画できるようになったドラマを、自宅にいる間にじゃんじゃん観る」という趣味を持っている上、夜は大抵実家にいたはず…なのですが、蓋を開けたらちゃんと観たドラマは4本だけだった。「専業主婦探偵」「謎解きはディナーの後で」も母の横でチラ見してたはずなんだけど単発だからブラジル渡航中を中心に結構見逃してるはずだし、「蜜の味」はあまりの暗さに私は脱落した。「11人いる!」「ビターシュガー」は途中からだしなあ。

と、いうわけで、私が1話〜最終話までキチンと観たドラマは、「私が恋愛できない理由」(月9・フジ)「カレ、夫、男友達」(火10・NHK)「家政婦のミタ」(水10・日テレ)とあとは「南極大陸」(日9・TBS)でした。南極はまあ、ちょっと軸が違うので、ほかの3つのドラマについて。


私が恋愛できない理由」:他愛ない女子ドラマ。でも、3人の女の子が同居するアンティークな家が可愛かった。特にバスルームとか中庭!!! 白倉由美というマニアックな少女漫画家が1990年代初頭に出した「東京星に、行こう」を思い出した。女子3人は、吉高由里子は期待値ピッタリ、香里奈は役柄としては少々背伸び、でも何だかあの照明さんカジュアルが本人は至って気に入ってそうで笑った。個人的にハマってるなぁと思ったのはAKB大島優子。あの可愛いんだか可愛くないんだかわからない普通っぽさが、いかにも“恋愛運のない(しかしそれなりに男の気配はある)派遣社員23才”って感じでよかった。AKB48で歌ってるときはもうちょっとお化粧も濃くて可愛い感じなんだけどね。あと萩原聖人が最近連ドラに復帰しつつあるのも気になる最近の私。ハギー、別に好きじゃないんだけどな。でもハギーをこの時間帯に見かけることそのものが懐かしいんだよね。


カレ、夫、男友達」:真木よう子のベッドシーンよりもユースケ・サンタマリアのDVっぷりが見ものだったNHKドラマ。「ビターシュガー」と言い、最近のNHKはなんか、ドラマ好きな人が「あんなドラマをこんなキャストで作りたい!」という確固たる信念のもとやりたい放題作ってるっぽくて、ああNHKだけでもブラジルで見られてよかったなと思う。個人的にはユースケ(大手都銀勤務という設定)と木村多江が住んでいる世田谷一軒家の新しいエレガントな家と、二番町にある実家の犬山家のクラシックな佇まいとの対比が好き。あと、チュート徳井はいつの間に俳優になってたんだ。普通に中途半端なルックスの俳優じゃないか。ちなみに「思いわずらう事なく楽しく生きよ」、私、江國香織の原作も持ってるけど、こんな話だったっけ…と思わず読み返してしまった。でも実は、ドラマのエグい演出の方が好きかも。


家政婦のミタ」:踊り過ぎるな、日テレ。特に最終回の日なんてミタさん事前特番何時間やったら気が済むんだ。でも個人的には、初回の「ミタさんが仏壇燃やすシーン」でハートを掴まれてしまったのでもういいんです。「わたくしにお任せくださいませ」に続く決まり文句「承知しました」を獲得した松嶋菜々子はつくづく役柄に恵まれているなと思う。日テレが踊り出すにつれて普通の“ちょっといい話”に収まったのがいいような、悪いような。でも子役4人が可愛かったし(長女役の子が大河ドラマ「江」で“お父様を許さない役”を並行してやってたのも印象的だった。そういう顔なんだろうか)、阿須田家の25年前はいかにもありがちで、でも今の日本では殆ど見なくなった“大都市の住宅地にある広めの一軒家に住む中流家庭”もよかった。まあしかし、最終回の平均視聴率40%ってすごい数字よね。


…と、ここまで書いてきて気づいた。最近のドラマって、この間の「華和家」といい、ひさしぶりに「こんな家いいなあ」って思わせてくれる家が結構出てきているような気がする。フジテレビの「ロングバケーション」に代表される“女子とアンティークな家”の組み合わせも久しぶりだけど今回はその集大成という感じだったし、それぞれ大手都銀・大手ゼネコンという“中の上”な設定にもかかわらず微妙ににいい家に住んでいるNHKと日テレもよかった。身の丈に合った夢、“実際手に入るレベルよりもちょい上”の感覚、私は好きなんだよね。「都筑区とか緑区でこんないい家住めるわけないよねえ」「でもいいよね」って、前向きになれる気がする。昔、「月9くらいでは夢を見たい」ってこの日記のどこかで書いたけど、ドラマのどこかで「日常の範囲で見られる夢」が入ってると嬉しいんだよね、私もようやく気づいたんだけど。


ちなみにミタさんのラストシーンのロケ地、私の横浜のマンションにすごく近い場所な気がするんだけど、一体どこなんだろう? 天理ビルとか東電横浜のアンテナとか、かなり懐かしいんだけど。ちょっと角度が違う気もするから、三ツ沢球技場の近くかしら。