働きマン第一話

はい、ではそういうわけでドラマ『働きマン』感想です。9月11日の日記で「涙なしには読めない」とまで言った漫画のドラマ化だから、第一回拡大放送分くらいは一応この日記上でも押さえておきましょう。っていうかまさか『リスキー田中』があのポジションに来るとは思わなかったぜー!!!
とりあえず普通の感想から。菅野美穂の顔の丸っぽさや声のかわいさで、ヒロイン・松方は原作に限りなく忠実なビジュアルながらとってもかわいらしいです。駅のホームでドタドタ走り回ってる様は「週刊誌の敏腕編集者=働きマン」というよりもむしろ「天然OL」。「こんなかわいい子がそんな無理して働かんでも…」と的外れの感想を抱く視聴者も必ずや出ると思われます。でも仕事に真剣になった時の鋭い目の演出はそれなりに映えたので、これはこれで十分OKでしょう。原作にあまりにも忠実だと、悲惨すぎて見ていられない脱落者が出そうだからなあ。特に家事手伝いか古きよき腰掛けOL上がり(受付嬢かお茶汲みとコピーしか仕事してません系の)の主婦層とか。なぜか松方の女友達役が「内科の女医」じゃなくて「歯科衛生士」になってる、っていう本編とは関係なさげなマイナーチェンジポイントも、松方の持つバリキャリエリート臭を薄めて庶民的なかわいらしさを出すためだと見た。ま、コレはこれでアリでしょう。ゲッソリやつれて死にそうな人ばっかりが画面に出てきちゃったらTV的にアレかもだし。
松方が庶民的なかわいこちゃん臭を出して好感アップな反面、ちょっと薄いなーと思ったのは彼女の『働きマン的逡巡』の描写。部屋で待ってる彼氏・新二(吉沢悠)がいる事を忘れて特ダネに奔走するシーンが2回出てきたけど、「何でバスやタクシーから電話かメールの一本も入れないんだよ!!!」と突っ込みたくて仕方なかった。ここは、「仕事となるとすべてを忘れてしまうのだ」とか「この間も仕事ドタキャンして、今日もドタキャンなんて…新二にどう言ったらいいの? ああ、早く言ったほうがいいに決まってるのに言えない…」とか何とか、松方の不器用さを伝える自己嫌悪的なモノローグを入れなきゃダメだなー。あれじゃ単なる物忘れの激しい人、彼氏を大切に思ってない仕事最優先のレンアイ的悪者になっちゃってて共感できないよ。逆に新二カワイソーって感じになっちゃう。
そして真打ち・主婦層のハートをガッチリ捕えそうなのが速水もこみち演じる小生意気な新人役・田中の配置。っていうか来ましたよついに予測してた定番シチュ“イケメンの年下君”が!!! 田中なんて原作4巻まで見る限りではタダのイタい人なんだよ!!! 松方が職場先輩なんて設定もなかったと思うし。しかもドラマ版田中、既になーんか明らかに松方を意識してるときた。
これはまさに『anego』の再来ってやつでしょう。何しろ『anego』、原作では登場場面の95%が序盤3分の1に集中してた、一瞬だけ篠原涼子をたぶらかしてあっという間に学生時代からの彼女と結婚しちゃう役の赤西君が最終的に本命最右翼まで行ったからなあ。仕事に燃え、燃え尽き、そして疲れ果てる働きマン・松方への『サプリ』としてカッコいいけど小生意気な新人・もこみち君を!!!って感じでしょうか。しかしこのパターン、既に王道すぎてちょっと飽きてきたような…。まあ実際、今の職場のランチメイト・Mさんは8才年下の新人と結婚して今もラブラブだし、意外にリアルかもしれないからそれはそれでいいのか(もちろんMさんの旦那はもこみちやKATTUNには遠く及ばないビジュアルだけど、まあ私たちも当然伊東美咲菅野美穂には遠く及ばないわけだし贅沢は言えまい)。
…とまあ、全体にドラマ版は、予想通り、かなり原作に比べてライト仕様になると見てます。こうなったら中途半端に松方&週刊JIDAI編集部を仕事関係で追い詰めず、発想大転換して「松方弘子の恋の行方」に的を絞っちゃうのもアリかもだなあ。『ハケンの品格』が「正社員制度」「やりがい」「出世」「人間関係」と言ったお仕事ドラマの定石をぶち破って『もらえるお金に見合っただけの仕事はキッチリする』『働くことは生きること』という最もプリミティブな観念に着地した後なだけに、何だかんだ言って普通にエリートな松方は新鮮味に欠ける気もするし。彼氏・田中・菅原さん(同僚の張り番カメラマン役。これは単なる私の趣味)、さあ誰が果たして松方とハッピーエンドを迎えるのか!? こうご期待!!! というわけでもちろん私は次回も見ます。
最後に言い忘れたけど、これ、何気に管ちゃんの衣装バリエーションがすごく多い。「Oggi」「Domani」よりもカジュアルで「Ane-can」よりは大人なリアルクローズは、実は結構私好みで見応えありました。今後も、ファッションだけでも見る価値アリかも。そしてああ、私はエディターじゃないけど、エディターズバッグやっぱ欲しいなあ。。。