コリアンエンターテイメントとJ-POP・日本のTVドラマとわたし

・オット(大阪・阿倍野区育ち。日系の自動車関連企業勤務)
在日コリアン文化が比較的身近に存在するせいか、一部の大阪人がそうらしいのだけど、極度の韓国嫌い。韓流というだけで決して見向きもしない。ただしサッカー韓国代表・北朝鮮代表ともに、プレイスタイルは嫌いではないとの事

・友人k嬢(東京・世田谷区在住。雑誌編集者に見事返り咲き)
新韓流ドラマに夢中。以下、本人の日記を無断転載。「日本のドラマをみても、面白い、面白くないに関わらず、ちっとも恋がしたいとも思わないし、ひとりでいても寂しくないと思えてくるし、誰かに会いたくなったりもしない。感情が揺さぶられることがまったくありません。でも、韓国ドラマを見ていると、恋はしたくなるわ、誰かに会いたくなるわ、独り身でいたくなくなるわ、で感情揺さぶられマクリスティです」

・両親(名古屋・千種区育ち)
2人とも“アイリス”は全話視聴。
父は“チェオクの剣”“太王四神記”“イ・サン”はできる限り全話見る方針。
母は5人いた頃の東方神起に関してはそのためにチャンネルを変える程度には好き。近年のK-POPアイドルに関しては「同じ韓国系なら李(忠成/サッカー日本代表サンフレッチェ広島)くんの方が可愛い」との事

・その他友人(愛知県在住。主婦・OLなど)
あまり興味がなさそう。唯一パク・ヨンハファンの大先輩がいるも、彼の死後は新たなお気に入りはいない模様




…そんな人々の間で、じゃあ私はどうなんだ、ということでコリアンエンターテイメントについての私見
K-POPもドラマもそうなのだけど、韓国のエンタメはとってもストレートだと思う。ストレートな恋愛、ストレートな人間ドラマ、ストレートなセクシー、ストレートなポップ。だから結構好きな部分がたくさんあります。ストレートな楽しさと満足感を与えてくれる。
そしてそれって、日本の90年代の作品とすごく似た匂いを感じる。だからわかりやすいし、90年代にティーンエイジャーだった、そして今では時に仕事のストレスで疲れ気味な脳みそにもやさしい。
対して近年の日本の芸能は、ひねり過ぎ。で、題材を現代社会に求めようとするあまり、勢いフツウの生活には馴染まない影のニッチな部分ばかりを舞台にしがちで、イマイチ夢を見られるシチュエーションじゃない上、しかもそれがかぶるかぶる。7-9月のクールのドラマなんて、どんだけ警察と医療ばっかりなんだ。いや、面白いモノも中にはあったんだけど。アイドルもそう、10年ちょっと前には雨後のタケノコのように沖縄アクターズスクールから今のK-POPと似た匂いを持つアイドルが量産されていたのに、今はどうも、ひねり過ぎたものばかりが出てきているような気がする。バーニングが今売り出してるfairiesは若すぎ、現時点でアクターズスクール出身の中では一番売れてると思われるperfumeサブカルチャー方向に凝り過ぎ(いや、好きですけど。ほら私、TMネットワークが好きなくらいだし)。perfumeに関しては見ているだけなら楽しくて美しいPVを出しまくっているけど、実はダンスが、決してセクシーじゃなくて風変わりなのに異常に難しい。しかもピンヒール。あれじゃ、マネする気にはならない。同じ理由でAKBの「ヘビーローテーション」は大島優子の振り付けのお蔭で華やかなのだけど、集団でモノマネするには大島役のなり手がいなくてイマイチ〆らない。私があと10才若かったとして、合コンで歌って踊るなら少女時代の「Mr.TAXI」一択だ。ついでに男子がKARAのヒップダンスなんかを一瞬だけ気色悪く踊ってくれたら大ウケだったと思う。最近売出し中のt-araまで行くとちょっと作為的過ぎてイマイチだけどねー、あれはたぶんクールジャパンのサブカルが好きな欧米の若者向けなんじゃないだろうか。


やあ、何でこんなことを思ったかっていうと、今、東海テレビで、かの「あやしいお米セシウムさん」の放送事故で打ち切りになったローカル番組の代わりに昔のフジテレビのドラマを流してるんですよ。最初は“GTO”それから“ショムニ”、観てたら楽しくて時間が経つのが早い早い。でも今やってる“モンスターチルドレン”になると、面白いんだけどちょっと微妙になってくる。米倉涼子の女弁護士ファッション以外、夢がない上妙にニッチなんだよね。ついでに言うと東海テレビの12月の夕方のドラマ再放送は何年も(出演者に逮捕者が出るまでは)“やまとなでしこ”一択で、でも何度見ても面白くて、何度見ても恋がしたくなった。
思うに、日本の音楽業界もドラマ制作業界も、ひねり過ぎだと思うんです。もしくは、ストレートなもの=韓国製、ひねった社会的なもの、もしくはニッチなもの=国産みたいに、棲み分けをしようとしてるのかな。だったらわかるんだけど。でもそれって製造業と一緒で、日本の空洞化を促進しちゃうと思うんだけどな。逆にAKBは80年代のおニャン子秋元康がもう一回やりたくて、だから90年代を通り越して80年代っぽくストレート。80年代らしく、ちょっと露悪的だからどうしても私なんかは抵抗あるけど、でも80年代が好きかもしくは知らない人にはストレートに受けるんだと思う。ただそんな私でも、AKB48をまじめにyoutubeとかで聴いてみたら、あまりに古臭く少女趣味な詞に、思わず白倉由美の古いマンガなんか読みたくなってしまったのだけど。


ちなみに不肖ワタクシ、2000年代初頭、SHINHWAっていうK-POPの走りみたいなグループが結構好きだったんですよ。歌上手い(某海外グループにそっくりだけど、今のK-POPだってそういう部分はあるからここは気にしない)ダンス上手いルックスまずまず好み、avexから日本デビューもしてそこそこメディア露出もあったんだけど、しかし売れなかった。本国ではめちゃくちゃ人気あったんだけどな。時期尚早だったって事なのかなあ。惜しいわ。


最後に、たまたま日本のドラマの“バラ色の聖戦”を観たらこれが夫婦愛・親子愛・お堅い銀行での出世競争に華やかなモデル業界と盛り沢山で、一話見ただけでお腹いっぱい、妙なアドレナリンが出てきた。テレ朝夜11時…といかにも低予算っぽいだけに、日本もやればできるじゃんという感じ。来週も観ようっと。できれば出演者全員がもうちょっと感情を爆発させた演技をしてくれるともっと「らしい」感じで、もっとこっちの感情を良くも悪くも揺さぶる、もしくはカタルシスが生まれると思うんだけど。