帰ってきた宝塚版「ロミジュリ」について(おそらくは前段)

とにかく宝塚版の『ロミオとジュリエット』が好きでしょうがない、というブログを書いたのは早7年前。つまり実際に劇場で観たのはもう8年前、ということになる。

ついに再演が始まっています!そして、宝塚大劇場では無事に千秋楽も終わりました。

kageki.hankyu.co.jp

今読み返したら「毎年夏はロミジュリでいいじゃん」などと言い放っていた私ですが、なんとあれから7年。コロナのせいで遅れて約8年ぶりの再演…って本当に、ずいぶん空きましたねえ。その間に同じく小池修一郎演出ながらなぜか近未来ディストピア設定の梅田芸術劇場版(男女混合版、と言ったらいいのでしょうか)は何度か再演され、それはそれでその度に足を運んでいましたが、待ちに待った宝塚版がついに再演されたのです。当時の衝撃と情熱を忘れないままここまで来られた自分に拍手。いっこうにコネもなく、毎度毎度チケット戦争で汗水をたらしているのは嫌になるけれど、気づいたら結構長いことヅカヲタして来ましたねえ。

さる観劇がきっかけで「今後、再演がどのような形でかかろうとも、私は『初演厨』にはなるまい。再演は再演で楽しく味わうのだ」と心に決めたあの日からも早7年あまり。おかげさまで今のロミジュリを大いに楽しんでおります。

何せ、今回の星組ロミオとジュリエット』は若い。ダンスは超得意だけどとっても童顔でかわいらしい容姿の星組トップコンビ・礼真琴と舞空瞳の顔のせいだけじゃない、芝居も若ければ巷で「有村先生(有村淳氏。宝塚歌劇団の、おそらく現在の主席衣装作家だと思われる)、なんでそんなワー●マンみたいなフード付きの服を…いくら●ークマン流行りだからって…」と言われるお衣装だって、つまりカジュアルでダボっとしてて若々しいのだ。

そんなわけで、私がヅカファン道に引っ張り込んでしまった、そして当然、私をはるかに超えたヲタクとして今では頼りにしている観劇仲間・まゆゆ(仮名)がブルーレイBOXを見る限り、報告・連絡・相談がなっていないという怒りが先に立って泣けない」という内容も、DVDで見ただけだけどあまりにも絵が強すぎて強く惹かれた2010年初演星組版や、実際観たちえねね率いる星組のオーラと生音で聴いた楽曲のパワーにあてられて思わず涙が出たりした2013年星組版とはまったく違う理由で、わりと理性的に、非常に泣ける。

8年ぶん歳を取ったからではない。今回のロミオも、ジュリエットも、あまりにも若く幼い。最後の場面、棺桶のふたりが天国で目覚め、ロミオに嬉しそうに飛びつくジュリエットの幼い笑顔を見ると、わたしは涙が出てしまうのだ。何でこんな子供たちが心中なんかしなきゃならんのだ。ヴェローナという土地の歴史のせいだけではなく、すべてのボタンがおかしな方向へ、おかしな方向へと進んだからこうなってしまったのだ…。いわゆる悲恋ものに涙する乙女、というよりは、4才と14才で生きようとした『火垂るの墓』みがあるけど、とにかく泣ける。ちなみに今回のジュリエットは16の乙女、って言いつつ数え年みたいなもので実年齢は原作通り14才だと思うし、ロミオも成人したって言っても15世紀のヴェローナではせいぜい16-17才だと勝手に思っている。

衣装はモダンでも時代設定は恐らく原作から変えていない宝塚版『ロミオとジュリエット』は、セットも単色で映像とかも使っていないぶん、曲の良さも味わいやすいと知らぬ間に梅芸版にすっかり慣れていた身としてはしみじみ思っています。って、東京宝塚劇場の幕が下りて間もなく始まる梅芸版もチケット取ったけどね!1幕ラストから2幕冒頭、秘密婚儀がバレるくだりがこの数年のバージョンでは「Facebookで拡散」でしたが、今年のは「『あつまれどうぶつの森』婚(曲:“Aimer”)をしたのがClubhouseでみんな知って驚く(曲:“町に噂が”)」くらいムダにアップデートされているのを期待している私です。

 

ああ、こんな郷愁に浸っていたら、役替わりAパターンBパターンの話ができなかった!2021年版の宝塚歌劇団星組版『ロミオとジュリエット』は役替わりも本当に楽しいのでまた書くね!とりあえずTwitterでバズった「愛ちゃんの死」は私も好きですよ 笑!