ダレでもいいんだ

moeringal2007-07-24

さて、Cの事をものすごく羨ましがった私とE子であるが、Cとの温泉合宿において興味深い発言があった。ちなみにCの旦那のプロフィールは明文化すればするほど、ウソくさいほど畏れ多いもので、『東大卒(ああ、言っちゃった)一級建築士、身長やや高め、大手ゼネコン勤務。連日連夜の残業と休日出勤にもかかわらず洗濯干しも風呂洗いもゴミ出しも全て妻の代わりに自身で担当、夜は毎日外食。しかし全てのあらゆるシーンにおいてまず妻のCの事を一番に考えてくれる』という感じである。だからCはウチの会社の社内恋愛共働き女子の殆どとは違って家事は部屋の掃除しかしておらず、あとは毎日主婦友とランチして昼寝(たまに小遣い稼ぎにパートに出る)、たまの旦那さんの休みの日には例の景色のいいフレンチなどへ二人でご飯に行くような生活を連日送っているのだそうだ。いやあ羨ましいね、働くのが嫌ってわけじゃないけど、ともあれそれだけ尽くして甘やかしてくれる人と結婚してるって。そういう人なら奥さんがフルで働いててもちゃんと家事とか分担してくれそうだしなあ。
「ウチの会社の社内とかで結婚してる子なんか、フルタイムで働いて、下手すると旦那より残業して、なおかつ料理も毎晩手作りして、それでも旦那に『今日の料理手抜きだねー』とか言われてるよー?ありがたいよソレ」
「ええっ皆偉いね! でもさあ、私の会社の友達も、旦那が全部やってくれるって言ってたし、そういう子、多いよー。たいてい皆家事なんてしてないよー」
うーーん、亭主関白は東海地方の習慣なんだろうか。そんな事ないよなあ。だって東京在住・関西出身のE子も最近知り合うのは皆『俺様男』だって閉口してたし。…というわけで、我々はさらにディスカッションを重ねたところ、冒頭の発言となった。
「そう言えばさあ、前まだ付き合ってた頃、『もっと優しい子もいるんじゃない?』って聞いた事あるんだけど、ウチの旦那さぁ、『うん。でも、誰と付き合おうと同じだから』って言ってたんだよねー。一見ワガママに見えなくても付き合ったら前の彼女と同じようにワガママかも知れないし、もっと細い子がよくても付き合ううちに太ってきちゃえば一緒だし。だから、誰と付き合おうと結果は同じだから、わざわざ別れたり探したりするのは無駄で、今いる人とそのまま付き合うのが一番楽なんだって」    …ちなみにCの周辺にいる、旦那さんをバッチリ尻に敷いている若き専業主婦仲間と話していても、同じような事を交際中に言った旦那は結構多いらしい。
『誰と付き合おうと一緒』。解釈の仕方によっては『だから○○ちゃんの事が世界で一番好きなんだってば!』という口説き文句にも取れるけど、Cの旦那はともかく他のパターンではそこまでベタ惚れとも限らない。しかも理論的にはきわめてロジカルだし冷めてる。っていうか実は私もその心境、わからなくもない。ただ、最近知り合う男性陣にはそういうタイプってものすごく少なそうなんだけど…。皆、異常に理想が高くて(しかも大抵複雑化していて、単に『美人』『やさしい』『料理が上手い』等一般基準では測りきれない)、時としてついていけなかったりするし。あと、人の旦那でも最近そういう話って殆ど聞かないんだけど。
そしてさらにC周辺の話を聞き、プラス私の周りでそういう旦那さんを持つ主婦の子を思い出すと、ある共通点が浮かび上がってきた。殆どが学生時代から数年付き合って結婚してるタイムテーブルなんである。新入社員ってパターンもあるみたいだけど、ポイントは、知り合った時点での年齢の若さと、交際期間の長さ。それから男性サイドのそこまでの女性経験の少なさ。
なるほどー、色んなバリエーションを見てないから、アッサリ今そこにあるものに十分価値を見出せる、って事か。確かに男(それも、特にCの旦那に近いレベルのステータスがある男)は、基本的に年を取れば取るほどモテるケースが多い。お金持ちにもなるしステータス相応の貫禄が出るからね。モテてくると色んなタイプの女の子が寄って来るから、見る目が肥える。結果、「Aちゃんの会話のセンスとBちゃんの顔立ちとCちゃんの学歴とDちゃんの脚の長さとEちゃんの思いやりと…」みたいな理想ができあがっててきてしまってにっちもさっちも行かなくなる。逆に、「ガリ勉メガネの東大工学部」というモテない(私達の頃は東大はモテなかったんです、念のため)時期にあっさり現状を肯定していけば、そういう風にロジカルに割り切って今の彼女をそのままずっと大事にできるわけか。確かに私も、大学時代付き合ってた人って皆揃ってかなりわがまま聞いてくれたなあ。別れようって言っても相当嫌がられたし。
「だからさあ、moeちゃんも、心が広くて何でも妥協してくれる、『誰でもいい』って人がいいと思うよー」とC。うん、私もそう思うんだよね。身体壊すほどの恋愛はもう経験したから、後はもう『死ぬほど切ない』とか『不安で死にそう』な気分なんて遠いところにある、ちょっとつまんなくてもいつも安心していられる、『それとなく幸せ』を感じられる人がいい。でも今さら探そうと思っても、『誰でもいい』人ってもう残ってないんじゃないかなあ。だって、『誰でもいい人』って、誰でもいいわけだから破局する理由もないし(昔の私みたいに一方的に女サイドから飽きられたパターンは別です)、モラル的にもまっとうな人が多いし、だったら結婚しちゃってるもんねぇ。