おとめ、開封 〜ちょっと待ってよ編

ひょんなことから始まった「わたしと宝塚歌劇」シリーズ、基本的には礼賛三昧の内容で別にいいと思ってるんですが、今回はちょっと苦言を呈したいと思います。って、劇団そのものに関するモノではないんだけど。


帰国する度、東京を通過する度、大阪付近を通り過ぎる度に少しずつ観劇を重ねてきたこの2年。何となく違和感があって、それが溜まりに溜まって、そして比較的短期間で観劇を重ねた今回、ようやく自分の中でカタチになったような気がします。いわんや、


ファンのかた幕間のマナーもうちょっと何とかなりませんか、という話だ。上から目線ですみません。でも、変なんだもん、絶対。


それで芝居が終わる2本立てはもちろん、1本立てでも愛と死が踊り狂う結婚式やらホールクラスの会場としては異様に大げさなクレーン仕立てのペガサスの飛翔やらで盛大に幕が下りる、30分間の休憩が始まる。そこで観客たちは、緞帳が降りるか降りないかのうちに席を立ち、少なくない人たちはズバリ駆け足で出口に殺到するのだ。そこでたまたま取れたチケットが通路側の席だとすると、どうなるか。


思わず放心する私のひざを、突き飛ばして彼女たちは通路に出て行く。そこに、「スミマセン」の一言もない。


行先はわかっている、トイレだ。確かに観客の男女比が大きく女性に偏っている劇団なので、女子トイレが圧倒的に必要な事はわかる。でも幸いにして、この劇団は主に専用の劇場で公演しているので、圧倒的に女子トイレを多く設置している。確かにそれでもトイレには長い行列ができているけれど、結局その列は意外に早い段階でハケている。死ぬほど焦って行く必要は、特に感じない。


最初にうっすら気付いたのは宝塚大劇場だっただけに、関西の人には申し訳ないのだけどああ、大阪(宝塚市兵庫県ですが)ってこういうところなんだな、と勝手に自分の中で片づけていたような気もします。でも、違うんだもん、東京でもそうなんだもん。そして、宝塚じゃないJ-POPのライブでは、もっともっとヤンキーみたいな子でも、もしくは宝塚とは全く違う、できるだけ人に見られないように異常に早く出て行ってしまうスターを敢えて出待ちするためにすっ飛んで行く追っかけギャルでも「すいません」くらいは言うもん(まあライブには幕間はないので、終演後になるけど)。もちろんブロードウェイでもリンカーン・センターでもエクスキューズ・ミーって言って来るしさ。


なんかおかしいよ、それ。清く正しく美しく礼節を重んじる集団を崇拝する者のふるまいとは思えないよ。


あと、ほとんどの人がバッグの中からコンビニの袋を覗かせているのも、なんか汚い。そして11時開始の公演だったりすると揃って場内の椅子で、ヘタすると立ったままでコンビニおにぎりを食べ始めるんだ、彼女たち。 場内に設置されたスナックスタンドで、売り切れることのないようじゅうぶんな量が用意された食べ物飲み物デザートが、決して高すぎない価格で提供されているというのに。


あんなにエレガントで設備の整った専用劇場で、あんなにキレイなものが上演されていて、なんでそうなるんだろう。私も興奮すると拍手の打点は高くなるし、思わず前に身を乗り出しそうになるし、決してほめられた観劇マナーではなくなることもあるので大きな事は言えないのだけれど、あの余韻を持たせてくれない幕間が、なんだかどうにも惜しくて仕方ないのだ。


…ちなみに余談だけれど、手で数えられる程度の観劇回数しかない私だけど、30分幕間があればノロノロしていてもトイレは逃したことないし、売店で買い物もできるし、これは選ぶお店にもよるし売店にはさすがに行けなくなっちゃうけど日比谷シャンテの地下の食堂街で軽く食べることすらできているぞ。ヅカファンよそんなに急いでどこに行く。