おとめ、開封 〜「フォッ!」と叫び続ける3日間

さて、そんなわけで日本に帰っています。mikuちゃんの結婚式も無事終わり、翌日には宝塚観劇もキメてきました。いやあ、花嫁自らがオープニングスピーチでそう言い放った旧フォーシーズンズ椿山荘の料亭棟での大人婚もすごくよくて感動したし、大人なトップスターさんのさよなら公演『ラスト・タイクーン〜ハリウッドの帝王、不滅の愛』も超楽しかった。というわけで宝塚の印象だけ簡単に書き残しておこう、というのはわずか中3日空けただけの明日、今度は兵庫・宝塚大劇場へ『ベルサイユのばら』を観に行くからだ。今後いつあるかわからない友人の結婚式はいつまでも記憶に残るけど、宝塚は宝塚に相殺されてしまいかねないものね。



いやー楽しかった。考えてみれば去年、早●年前のユーミンのコンサート以来久しぶりに観た後の震えが止まらなかった星組ロミオとジュリエット』に「なんで私はこんな値段でヤフオクしてしまったのか…」と一時の気の迷いに後悔しつつ期待せずに向かったら出演者が一同ナゾの大熱演だわテーマ曲がものすごい昭和だわで結果的に後々まですごいインパクトを残した宙組風と共に去りぬ』…と去年のヅカ活は一本ものに終始していたので、“軽いお芝居+ショウ”というかつてダンスの先生にも薦められた「宝塚歌劇の王道」的な2本立て演目そのものはじつに初観劇以来。しかも主演トップスターは、女優の北川景子ちゃんが堂々とスマスマで公開告白に近いことをしていたオトナの男役・蘭寿とむさん(学歴や入団年を計算していくと、実際、30代半ばの私よりも何才か年上だと思われる)。とにかくクサい。こんなパフォーマンス宝塚以外では観られないから!というクサい展開がこれでもかと繰り広げられ、必要以上にカッコいいスーツの後ろ姿もこれでもかと披露される芝居が終わり、休憩をはさんで意外にモダンというか90年代後半〜2000年代前半のJ-POPコンサート風な演奏アレンジ、かつコスプレ満載なショウが上演されたその終盤。
これを最後に宝塚の男役を引退なさるトップスターは、燕尾服の男役たち全員をズラリと従えて踊るその最初と最後にひとりポーズを決めて「フォッ!」と気合を入れたのである。「フゥッ!」のほうがいいのか、ちょっとよくわかんない掛け声なのですが、ハードゲイとかとは明らかに違う、気合に満ち満ちた声。恐らくはこれで最後とばかり多めに設定されていると思われます。普通はきっと1回だよね。


…すごい、これ、お正月に見た『スマスマお正月スペシャル』の宝塚特集の通りだ…!なんだかよくわかんないけど本当クサい…! 思わず笑い出したくなりつつも、必死でこらえて満面の笑顔で拍手しまくりました。なんて楽しいんだ。


…というわけで、帰宅した翌日から今に至るまで、実家でゴロゴロしつつ何かあってもなくても気づいたら「フォッ!」「フゥッ!」と叫びまくっている私です。なんか変身ヒーローものを見た子供が「トウッ!」と叫びながら壁から飛び降りるとの同じだなあ。年上と言いつつ実は同世代な蘭寿さんに比べてずいぶん行動が子どもだなあ私。でも面白かったんだもん。ちなみに、言う事を聞かない実家の猫を黙らせるのに使えることが発覚したので、たぶん明日の夜からは「あーいー愛ーああいいいいい」とあの有名なテーマを歌いまくることが予想されつつも、これからもちょくちょく活用していこうと思います。


【ヅカ的おぼえがき】 花組ってわたしは初めて見たんだけど、恐らくは私と同世代なのに細くて可愛くてキレイなベテラン娘役の宝庫で驚いた。男役も平均身長そのものは最近たまたまよく見てた星組宙組に比べて小柄ながら、キラッと光る若手男役が何人かいる素敵な組だなあと思った(単にショウ付なので下っ端にも出番がたくさんあるように見えただけかもしれないけど)。その中でも、前半の芝居のほうで「ココイチ!」と叫びたくなった(ここでピカイチ!の意。この瞬間自分の中でわきあがってきた造語)、っていうか初めて“その他大勢”の中で素敵だなって思った若手男役がいたんだけど、パンフ買って調べても誰がどれだかわからず。うー、誰だったんだ、あの子は。