「アナ雪」ブームを考える

季節外れにも何だかものすごい評判イイっぽいですよねえ、『アナと雪の女王』。わたし、薄々Yahooニュースとかで(←日本を離れている時の主な情報源)知ってたので、飛行機の機内でなんですけど観たんです、しかも2回も(最初、ユナイテッド便で英語版を観て、それから「もしかして日本語版のほうが魅力的なのかしら」と日本語吹き替え版も観た)。


…うーん、これ、本当にそこまで大騒ぎになるほど傑出したディズニーアニメなのかしら。はたまたメディア押しがすごいのか。もしくは恣意的にではなくメディア関係者に受けがいいのか、一時期の『あまちゃん』みたいに。


確かに、“Let it go”はキャッチーないい曲で、氷のお城が見る見るできてくるグラフィックもきれい。きっとブロードウェイで(そしてその数年後に劇団四季で)ミュージカル化したらここで第一幕が終わるんだな、という感じ。節がJ-POP的にシンプルで、キーも女性の声の標準的な範囲だからカラオケのキラーソングにもなりそう。松たか子版もいい(訳詞は好きじゃないけど)。…でも、映画全体としてはそこまで騒ぐような出来かなあ。アンデルセンの『雪の女王』の原型はないというよりむしろ著作権侵害で訴えられないように前もって仁義を切っただけ感が否めなくて、それはそれで別にいいんだけど、とにかくストーリーが微妙に凝りすぎていて心から楽しめない。王子を無理に悪者にする必要なんてあったのかしら? っていうか王子、いらない。
曲も、他の曲もきれいなメロディラインで揃ってるけどいまいちインパクトが弱くないか。雪ダルマ君のソロも、過去のディズニー作品で言う“Under the sea”や“Be our guest”ほど強くないしなあ。


まあ、そもそも映画館のスクリーンでちゃんと観なかったからダメなのかしら、1回こっちにいる間に観ておくべき? エルサ(ヒロイン姉妹の姉、雪の女王化するほう)の容姿はディズニー史上最高に好きだから、大画面で観てもいいことはいいんだけどな…ってこれ、なんか日本のメディアの思うツボですよね。悔しいから、向こうに帰ってからいっこうに上達をみせない現地語で『FROZEN』を観るか…。