欧州サッカーという名の人身売買

「本田、ラツィオに移籍ならず」「森本、メディカルチェックに引っかかりキエーヴォ移籍ならず」「家長、マジョルカからKリーグにレンタル移籍」「宮市、アーセナルからボルトンにレンタル移籍」など、31日の移籍市場締め切りを前に欧州でプレーする日本人選手のあまりかんばしくないトーンの移籍報道が相次ぐ今日この頃。


移籍市場、という言葉が示す通り、特に欧州リーグにおいては選手なんてあくまでもカネのなる持ち駒に過ぎない、選手の意思なんて二の次、というのが私の印象。だって、一説によれば、土壇場で値段を吊り上げられたラツィオはシセ(フランス代表)をレンタルに出して本田獲得のお金をねん出するなんて話もあったくらいで、私たちはすっかり本田主眼になってたから「何でもいいから決めてくれー」なんて思ったけど、これって万一成立してたらシセにとっては青天の霹靂だよね。そもそも、長友の代わりにインテルから出されたユース上がりの子だって泣いてたし。


実際、「ワールドカップは最大の人身売買市場」という言葉もあるくらいで、いやあこれだけ世界を股にかけて堂々と人身売買が行われてるのなんてサッカー選手くらいなものかもしれない。儚いなあ、と思う。


ただ、それが世界で堂々と認められていることであれば、日本のサッカー界もそれに倣うべき。「海外からオファーがあった場合は移籍金ゼロ」なんて契約、Jリーグは全クラブ協定して選手と結ばないようにしないとダメだよ。クラブだけじゃない、ともすれば選手だって不幸になる元なんだからさー。