ワンサイド・ゲーム

いやー終わった終わった、サッカー週間。あ、まだ天皇杯があるか。それにしてもこの約1か月、生観戦もCWCも観る試合観る試合ワンサイド・ゲームが異常に多かったなあ。具体的には、

1. 名古屋グランパス×モンテディオ山形 4-0
2. サントスFC×柏レイソル3-1
3. FCバルセロナ×アル・サッド 4-0
4. 横浜F・マリノス×松本山雅FC 4-0
5. FCバルセロナ×サントスFC 4-0

…うーん、こうして書いてみると国籍もカテゴリーもあったもんじゃなく幅広いなあ。バルサからJFLまで!!! サントスとアル・サッドが試合したらたぶんそれはそれで結構大差でサントスが勝つ気もしつつ、でも思ったことは各試合違ったので覚え書き。

・1.と3.はいわゆる引きこもりサッカー。格上相手に「負けないサッカー」でPKまで持ち込むのは難しいんだな、と思わざるを得ない。
・2.と4.はレベルや国は違えどチームの気質が近いクラブ同士による真っ向勝負のすがすがしいサッカー。日本人ってそんなに爽やかな気質だったっけ…。
・5.はどちらでもない感じ。むしろ後半になって修正ができてきてたんだけど…。

…と書いてみると、基本的には事前のスカウティングってやっぱり重要だなと思う次第です。マリノスなんてほんと、今までにないくらいちゃんと相手の強み弱みを握ってたもん。松田騒動で報道陣が多いのはわかってただろうから、死んでも負けられないっていうのもあったと思うけど、それにしてもJFL相手に頑張り過ぎでしょうっていう。実力差があれば(何しろ2カテゴリー違う)、まともにスカウティングすればまずジャイアントキリングなんて起きないんじゃないかと言う感じで、逆に言えば「天皇杯ジャイアントキリング」なんて、普段J1チームが何も考えずにリーグの真っただ中で県代表と片手間っぽく試合するからちょいちょい負けるんだろうなあと思ったり。逆にサントスはそこまで大きく実力差がないのに「うちはうちのやり方で行くぜ!」ってろくにスカウティングもせず試合に臨んで、あまりにも前半が無様だったから後半修正して無理矢理オフサイドトラップ仕掛けて相手の得点をどうにかこうにか1点で押さえた感じ。だったら先にやれよって感じなんですが…ブラジル人の気質なんだよね、その微妙な学習能力って。あとスーパープレイ好きってとこも。ネイマール、あそこは股抜きじゃなくて地味に流し込むとこだろう。柳沢じゃあるまいし君のシュート技術ならできたはずだ。

あとワンサイドゲームって意外に、負けてる方以上に勝ってる方の欠点もよく見えてくるんだなって気づきました。バルサは意外とフィジカルが弱いからガツガツ当たってくるチームと当たった場合にどこまでいつも通りでいられるかって感じだし、グランパスは外国人がいなくて高さで対応できなくなった時の手数に乏しいし、サントスは若さゆえの大技(ブラジル人好みの鮮やかな「ゴラッソ」)狙い過ぎだし、マリノスはもっと若手を積極的に使って育てるべき。とりあえず中澤抜かれすぎだよ、しかもJリーグ経験のない28才のフォワードに。


最後に、往年の全オーエルのアイドル・ツネ様がついに引退されるそうです。松田の入院〜葬儀で見たツネ様は確かに、明らかに太ってたからなあ。田中誠とか、マリノスの波戸さん(波戸康広)とか、なんだか今年は同世代というか厳密にはちょい上のサッカー選手の引退の話が多くてさびしい限りです。まあ、いきなり死なれても困ってしまうわけですが。そしてそんな“困ってしまった人たち”が集結した富山の天皇杯(4.)はワンサイドゲームでも双方の「全力感」が全面に出た、すがすがしい、いい試合だった。同行したIちゃんのご主人・エリートS君はなぜか松本のゴール裏で試合を観た挙句「5%くらい松本山雅のファンになった。まあ、俺にはグランパスの赤い血が流れてるからそれ以上は増えないわけなんだけど」と言っていたぞ。サポーターの熱さに心打たれたらしい。まあ、数か月前の私もだけど。


それにしても富山。このサッカーの試合がなければ行くこともなかったであろう富山。なぜかサッカー好きな友人の旦那さんまで巻き込んで行った富山の旅行記はまた今度。