海外生活に向く人

世にいうところの駐在妻となってはや2年経つ自分であるが、ひさしぶりに強烈に不思議な人と出会った。彼女は、(会社補助の出ない)インターナショナルスクールに娘を入れたせいか非常にお金がない、らしい。

新しく来た人で、運転手付のクルマの利用を許可されていない会社の人に治安の悪さを説く場合、普通は「頻繁に在留邦人が強盗に襲われて腕時計やiphoneを盗まれているので、基本、ある程度の距離はタクシーに乗る事。でもタクシーの信号待ちに強盗に遭うケースもある、あとは自己責任で」が説明のベースだと思っているのだけれど、

「えーーーーーーーー、わたし、どこでも歩いて行っちゃうよ? 2〜3キロなら平気平気、うん。だってわたし、別に危ない目に遭った事ないしー、大丈夫だよ」
でも居住区だってよく強盗あるじゃないですか、と話題を振ってみても、
「えーーーー、moeちゃん気になる? わたしの知り合いのママさんも被害にあった人、何人か知っているけど、でも、人は人じゃん? そんなに運が悪くない限り全然平気だと思うけどなー。だってわたし、歩いてて危ないなって思った事、ないもん」


『人は人。自分は自分』、でもない。日本人にありがちな、『みんながそうだから自分も』でもない。『私がそうだからみんなも』って、なんか新しい人だなあと妙に感心してしまいました。珍しいよね、そういう人。


ただ、実は真に海外生活が向いているのは案外こういう人なのかな、という気がしないでもありません。流されないこと、ゆるぎない自我がある事って、欧米文化では重要ですからね。でも、治安対策に関してだけの話なら、エクアドルで流しのタクシー拾ったつもりがとんでもない目に遭ってしまった新婚さんの話なんかもあるし、特に南米の場合は、気にし過ぎるくらい気にしないと何かあった時に「タダの不用意な人」扱いされてしまう可能性なんかもあると思うんだけどな…。