ダウンダウン

昨日の午後、突然、背骨が強烈に痛くなった。本気で痛い、眠れないくらい痛い。次に襲われたのは激烈な寒気だ。助けて、寒い、背骨は痛いしなんだかもう死にそうだ。…そう言えばコレってインフルエンザの症状だよなあ、と思い出して熱を測る。37.0度。うーん、こりゃきっと上がるなもっと、と思い、のた打ち回りつつ、インフルエンザだったら効かないなと思いながら風邪薬と数年前に日本の医者でもらった抗生物質の残りを飲んでひたすら体を横たえる。折しも今季初のスコールのような大雨も降り出して、そうかこのせいか、気圧のせいもあるよねと思いながら死んだように横たわっていた。生まれて初めてであろう雨風の音に何やら叫んでいる駄猫を何とかなだめつつ、やり過ごす。


私はよき妻なので、何とか声が出せると見込んですぐにオットに電話をした。「辛いから早く帰ってきて」ではない。「到底、夕食を作れるような状況ではないので、誰か一緒に食べてくれる人がいたら夕食を食べて帰ってきてほしい」と伝える。何しろオットは、“一人でご飯を食べることができない”という、あたかも一昔前の名古屋嬢のような男なのだ(独身時代、今よりも10数キロ痩せていたのは、週に3〜4日は1日1食生活だったからとの事)。


もう一度熱を測る。37.4度。辛い割に微妙な数値だ。抗生物質が効いているのならインフルではないし、インフルだとしたらもっと熱が上がるはず。まあつまり、タダの風邪、という事なのだろう。タダの風邪、37.4度、なんだ全然たいしたことないじゃないか。会社員時代に比べて、ヤワになったものだ。


臥せりながら(何しろ痛いのだ)帰ってきたオットに伝えると、「珍しいよねえ」という。確かに結婚以来、オットが必要以上に頭が痛いお腹が痛い下痢だ熱だと騒いで会社を休むたびに「それで休めるなら気楽な身分よね」と冷たい目で見てきたような気がする。専業主婦になって以来、多少体調が悪くても最低限の夕食は作ってきた自負もある(何しろ専業主婦歴=南米某国生活歴なので、体調が悪くても食べられるようなあっさりした惣菜など売っていないのだ)。「ねえ、あたしがこれだけ調子悪いのって、珍しい?」と試しに聞いてみた。
「少なくとも、結婚してからは初めてなんじゃね?と思うねんけど」あまりにもぐったりした様子に驚きを隠せない様子のオットは答えた。
そうか、初めてか、それはそうかもしれない。もしくは共稼ぎ時代、朝の7時には家を出るオットと10時に銀座に着いていればいい自分とでは生活サイクルにズレがあって、オットは気づいていなかったのかもしれないけれど。


…あと2週間で、私たちは結婚4周年を迎える(あ、入籍してからはもう4年以上経ってるけど)。