飼い主失格

猫が嘔吐した。一昨日、「これは毛玉を吐いたな」と思われる嘔吐を3回繰り返した矢先に、今度は4回だ。おまけに下痢まで。慌てて病院に連れて行こうにも、ペットケージにこれがなかなか入ってくれない。2時間ほど格闘したのち(その間にも、さらに2回嘔吐。自分にはひっかき傷が3カ所できた)、結局オットの帰りを待って二人ががりで何とかケージに入れて病院に連れて行った。


結局、何か変なものでも食べたら困ると、翌日の朝10時から検査することになったのだけれど、残念ながら自分一人でケージにもう一度入れる自信が自分にはない。かと言って、朝の6時半にオットとふたりがかりで入れたとしても、その後の3時間でケージ内でまた嘔吐や下痢をされたら衛生的に却って問題だろう。何よりこの半日でなにかあったらどうしよう…そんなこんなで無理矢理入院させてもらった。


その夜は辛かった。猫一匹いないことでこんなに部屋がガランとするなんて…! 
サランラップを口に入れたと思われる。下痢と嘔吐を繰り返し、3日後に死んでしまった」「発泡スチロールを食べると死んでしまう。野良猫の死の大半の原因はそれ」「タマネギの汁を口に入れると死に至ることも多い」「死んでしまうの覚悟で開腹手術をしたら、じゃれていた紐が出てきて腸がズタズタに傷ついていた」…“Yahoo知恵袋”を眺めてビクビクしながら夜を明かした。いつも料理中は邪険に扱っているけど、そうこうする間に何か口に入れたんじゃないのか。気をつけてはいたはずなのに。後悔する事ばかりだ。


血液検査・エコー・レントゲンと検査してもらって、結果はシロ、胃酸が出ている以外はいたって元気。先生からは「ストレス性胃炎、もっとかまってあげてくださいね」「過食症気味なので、食べ物をダイエットフードに替えてみましょう」との事。 うるさいので1日の外出は4時間以内に控えていて、あとはできる限り遊んであげているのに、これ以上何をしろというのか…!!! なんだか、途方に暮れてしまう。きっと、料理中に「危ない!」「どいて!」「来ないで!」「ダメ!」「お願いだからボールで遊んでてちょうだい!」を繰り返しているとか、そういうのがダメなんだろうなあ。だって、それ以外思い当たらないもの。


ちなみに、今回かかった診療費は、日本円換算で下記の通り。

・時間外診療…12,600円
・入院費…12,375円
・検査費(血液・エコー・レントゲン)…22,095円
・投薬費…3,977円

合計、51,047円。もちろん、旅行時などを除いて、この国で暮らし始めてからというもののこんなに一日で多くのお金を使ったのは初めてだ。しかし、時間外や自主的な検査入院日はうちの贅沢代だとしても、検査に保険が効かないってイタいなあ。この国ではペットは金持ちの道楽とされているようだけれど、日本でも動物病院ってこんなに医療費がかかるのかしら。


そして今、明け方の4時に猫に起こされ、かまってあげつつ家計簿やこの日記を書いている。かまって欲しいクセに、いざかまってあげると無関心を装うあたり、相変わらずのツンデレぶりだ。
「ああ、それでもこの子が元気で良かった!」ではなく、「このお金があれば、旅行にも行けたし、欲しい服も買えたのに…」「外食5回分が…」「舞台やコンサートだとまあまあの席を定価で買うとして6回分か…」「マッサージのキャンセルの電話を入れておこう…」「本当はタクシー代もケチってなるべく治安のいい道を選んで歩きたいけど、そのぶん家を長い事空けることになるから、それはできないな…」とあれやこれや考えてしまったあたり、自分はやっぱり、飼い主として失格なのかもしれない…。


(ちなみに、ずいぶん前から台所の入り口に育児用の柵をつけているのですが、80センチ程度の柵を飛び越えるのなんて、猫にはお安い御用なんですね。そんなわけで、この柵も無用の長物です。)