木に登るブタ

バブルがこっそりと弾けたという噂もあるこの街で、敢えて5指に入る高級ホテルのロビーバーに行ってきた。何でも、平日ランチプリフィクスが始まったという理由で。いやあ、なんつーかワタシ、駐在マダム?

日本人ながら当地のお金持ちとご結婚されて既に恐らく30年近い本物マダムを交えてのひと時。日本にいた頃はメディア関連の仕事をしていたという彼女に、何かの拍子にかつて自動車関連の仕事をしていた旨話したところ、こうおっしゃった。
「自動車関係って、レースクイーンとか?」
…マダム、お世辞にもほどがあるだろう! この横幅とこの脚腰の太さで務まる職業ではございません!そもそも身長161センチしかないしね!…って、30年以上前ならこの背でも通用したのかもしかして。横幅は、横幅は…まあ私も四捨五入したら40才、しかも南米在住だしね。実際太ったけど、もっとドラスティックに体型そのものが変わっているとしてもおかしくないかも。
しかし世の中恐ろしいもので、1年ほど前、ふつうの駐在員の奥様(多分同じく四捨五入したら40才で、少なくとも私よりは何才か年上)にも同じようなことを言われたのを思い出した。
「自動車関係って、フェアレディガールとか?」
いや違う!実際、学生時代にミス・フェアレディの最終選考に残った子を何人か知ってたけど、今度は確かに私も痩せてたしスタイルはそこまで差がなかったけど、彼女たちはもっと顔、キレイだったもん。…まあ、この街、「派手にしてると(強盗に)狙われる」っていう場所だからね。化粧が派手なだけでそう思われても不思議ではないかも。


ちなみに正解は、この日記の過去ログを読み返していただければ一目瞭然、工場の事務屋(事務職の女の子、ほどかわいくない)です!制服はエンピツや赤ペンの汚れに油が少々混じったブルゾンです!残念!っていうかみんな、そんなお世辞ばかり言ってたら、「ワタシって美人?」とか、ブタも木に登っちゃうよ!


…でも、実はちょっと悔しかったりするのだ。なんでそんな「顔で勝負」みたいな仕事ばっかりやねん、と。そんなにチャラチャラしてないもーん、タダの元オタ女のワーカホリックだもーん、私。あ、でも美人でヲタ、っていう子も最近増えてるらしいので、いまのは失言ですね。