まぼろしの味・日本縦断

すごく好きだったスープがあります。


かれこれ5年近く前、独身時代(=会社員時代)、毎朝寝ぼけまなこで飲んでいたそれは、「JAふらの」の野菜スープ。薄い野菜コンソメだしにタマネギとニンジン、キャベツが入った薄いミネストローネという趣のスープで、毎朝飲んでいました。レトルトなので1食300円以上だったのですが、何しろ当時は独身貴族。何の問題もありません。母に買いに行かせては母に温めさせ、毎日飽きもせずに飲んでいました。

ある日、近所のスーパーでのそれの取り扱いがなくなってしまいました。何でだー。しかしそうこうしているうちに結婚することにしたり転職することにしたりマンションを共同名義で購入することにしたりして、誤魔化しで同じくJAふらののポタージュスープを飲みながら、バタバタと時は過ぎます。そして結婚後。「ああー、自分で家事をしなきゃいけない今こそあのスープが飲みたいなあ、JAふらののホームページに行けばお取り寄せくらいできるだろう」と思っていたところ、しかしホームページにあのスープは影も形もなかった。自分で言うのも何ですがぼやけた味だったので、きっと廃版になってしまったのでしょう。貧乏舌炸裂です。

しかし神は見捨てませんでした。転職先の会社に程近い日比谷シャンテに入っているその名の通りマクロビオティックカフェの「チャヤマクロビ」にあった、“本日のスープ”がまさにそれを思い出す味。しかし“本日のスープ”だけに提供されない日も多く、足を運ぶもがっかりなケースもあったけれど、それがまたくじ引き的なヨロコビもあって、それなりに通ったものです。転居した横浜にも某商業施設にチャヤマクロビのカフェが入っていて(今は撤退したっぽい)、オットが出勤の休日や会社を辞めた後もちょこちょこ足を運べたのもよかった。退職後は「たかがスープセットに1,200円か…」と思い、同店でミネストローネのレトルトやベジタブルブイヨンを買ってみたものの、残念ながら同じ味ではなかったことも付け加えておきます。

そして今日。出会ってしまいました、限りなくあのスープに近い味に。

お友達から随分前に頂いていたものの、元来の料理嫌いとものぐさが災いして、賞味期限ギリギリになって「そう言えば日本にも帰れそうだし、お取り寄せ食材をピックアップしなければ!」と思いながら「そう言えばコレ、どんな味なんだろう」と試してみた、茅乃舎・野菜だし。やー驚いた、やや薄いもののベーコンを少し加えて煮込んだらほぼほぼ記憶に近い味になった。別に私、菜食なわけじゃないし、これで十分。オットの好みの味ではないと思うので、一気に作って保存することもできるかもしれません。


1年か下手すると2年以上前のいただきものに今さら手を付けるのもなんだかなあという話ですが、外食の値段が圧倒的に多い場所に住むにあたってこの再会は大きい。嬉しいです。今回はあり合わせで、キャベツの代わりに残り物のレタスを投入してしまったけれど、やっぱりキャベツをくたくたにした食感を次回は味わいたい。あまりに嬉しくて思わず取り留めもなく日記風に書いてしまった。


しかしよく考えると、JAふらのは北海道、チャヤマクロビは関東ベース、茅乃舎は福岡のお店の模様。まぼろしの味なんて言いつつ、実は日本全国の味だったんだなあ。


(↓ちなみに他のJAふらの製品も実は好きです)
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