結婚しない権利を持つ人

2日前の話。


夫の上司の奥様宅(うちと比べて広い)にて掃除婦さんなるものの働きを社会見学しつつブラジルの郷土料理を教えて頂きつつランチ、で、深い話。彼女はお世話好き・おもてなし好きの、あるいはもしも彼女ともっと年齢が近ければ面倒くさいこともあるかもしれないけれど、私にとってはとてもいい人。ファーストネームを呼んでくれるので、「名前を忘れた女神」にもならずに済みます。で、いい意味でジェネレーションギャップがあるので、彼女のお嬢さんの話なんかも。


29才・この日記にも何度も出てくる私の友達も卒業してる某ミッション系私大卒・この日記にも何度も出てくる私の友達も働いてた事のある某大手証券会社勤務・未婚・クリスマスも自宅で一人で過ごしたという彼女は、むしろ私や、この日記に出てくる多くの私の友達の、ほんの数年前の姿を(少子化や当時の就職事情も手伝って)もう少しグレードアップさせた感じ。申し訳ないのだけれども笑ってしまった。もちろん悪い意味ではなく、むしろ大きな共感と懐かしさをもって。


そして、もちろん娘の将来を案じる彼女(後から聞いたら夫の上司であるご主人ももっと心配しているらしい)に、敢えて言ってみた。
「●●ちゃんは、ごく限られた“結婚しない権利を持つ人”なんですよ。だから、そんなに焦らせる必要はないです」
…首都圏在住、おしゃれな雰囲気で有名な大学卒、誰でも知ってる高収入で有名な会社勤務、写真を見る限りこぎれいで細身で可愛い。そんな女子は私に言わせれば、「結婚しない」もっと言えば「無理してまでは結婚しない」という選択肢を堂々と持っていい人だ。「負け犬論争」以降、早く結婚・出産をしようとする女子が多いと聞くけれど、焦ることがいいことだとは私は思わない。首都圏よりもずっと保守的な愛知県(名古屋市ですらない)という場所で「クリスマスケーキどころかおせち料理」と陰口を叩かれてもなお「名古屋市内の中古タワーマンションか、西三河の新築か、どっちか買おうか…広さは60平米2LDKくらいのほうがひとりでも寂しくないから予算的にも何とか…」などと思っていた私も、もし東京で働いていたら…独身だった可能性も高いなあ。少なくとも田舎のメーカーよりは男性比率が少ない会社になるんだろうし、だとしたらもっとのびのびしてしまう(そしてお嬢さんの職場には、彼女よりも年上で未婚の女性が複数いらっしゃるとの事)。
要するに、諸条件に恵まれた女子は、自分自身がよほどさびしくならない限りは、あえてどうでもいい男と結婚する必要はないのだ。 さびしさの引き金は様々で、女友達の結婚だったり、結婚しても親しくしていた友達の出産だったり、恋愛感情を過去も未来も持ったことがない男友達の結婚だったり、あるいや親兄弟の結婚や病気や死かもしれない。いやいや、好きな芸能人やスポーツ選手の結婚や離婚や病気や死や引退、バンドの解散なんてのもアリだな。私なんかもそうだけど、その中の複数が少しずつ影響…というのもあると思うし。そしてそういう様々なことが起きたあとだと、価値観が変わって、同時に「どうでもいい男」の基準が変わることもある。


だから、一応こう付け加えてもおいた。
「だから、結婚したいなって思う人が現れたら結婚するし、30才に前後するあたりで少しずつ好みや価値観も変わるし、心配はないですよ!」

…そう、私は、そのお嬢さんは、意外と早いうちに結婚するんじゃないかなあとひそかに思っている。クリスマスに自宅でひとりだったなんてわざわざ親にスカイプで話すなんて、そのいい傾向。むしろそのスカイプ通話だけをカモフラージュにして夜遊びしてたり、土日返上で仕事に必死で気づいたら24日も25日も過ぎていて親に電話したのは日本時間で26日なんて展開なら、そのほうがなかなか結婚しない、かもしれない。