仕事の効能

どんなに悲しいことがあっても、どんなに面倒くさくても、仕事さえしていれば忘れられた。仕事のせいで随分胃の痛い思いもしたけれど、仕事のお蔭で救われたこともたくさんある…ということを、仕事を辞めて初めて知った。時にいろいろなことが面倒くさかったときは、逆に仕事に逃げていたことも何度もあったと、改めて思った。すみませんその節は。


どうしよう、変にまさにその時海外にいてNHKの9時のニュースとおはよう日本しか見れてなくて、そのマスコミ的騒ぎはYoutubeで確認しただけで、しかもうだうだ言って結局通夜も葬式もその後にあった黙祷つきの試合も一つも行ってないせいで、まだ全然実感がない。前を向いてるようで向いてないの、ほら私にとって昔の代表と今の代表は全然別物として同じだけ好きな感じだから(ウィーン少年合唱団とかリベラとかの追っかけの人のメンタリティってどんな感じなのかな、と思う。ごひいきの子が大人になって退団した後の気分とかその後の関わり方とか、ちょっと聞いてみたい)、この間の日韓「定期」戦はその代表とは思えないくらいカッコいい勝ち様だけに熱狂しちゃって、試合の最初の黙祷シーンはまた別なの。


ただ、ああ、ほんの1か月前まではまだ生きてたんだな松田は、と思う。そして今はもう死んじゃったんだな、とも。仕事してたら簡単に忘れられただろうに、眼前のノルマがないのをいい事に、まだなんかうまい具合にショックを受け止めることも逃げることもできてない気がする。


とりあえず松本山雅は勝ってくれ。あと、オットに頼まれて発注した松田のユニフォーム早く届かないかな。昇格がかかるか、天皇杯で行くところまで行くか、どっちかのチャンスが来たらそれを着て、ひとりででも応援に行きたいんだ。そしてその時、初めてニートの私は松田の死をうけいれられるのだと思う。