事件とメディアと距離と時差〜なでしこジャパンと松田直樹

今日でこのホテル暮らしも終わり、明日未明（具体的には1:45）の飛行機で日本に帰ります。あ、でもその前に新嘉坡に寄りますが。しかしサンパウロからシンガポールまで22時間って…いくらシンガポールに友達がいようがSQが好きだろうが、これではまるでマイル修行の人のようだわ。安かったからなんだけど、チケット取ってからちょっと後悔。

私が日本にいない間のメディアは「なでしこ（女子サッカー）ブーム」に「松田直樹頑張れ→追悼ブーム」と、何が起きたんだ日本のメディア状態だったようです。伊良部より松田だったんだって! 本当?いやあ皆そんなにサッカー好きだったっけ…。
日本を離れてると、本当にいろんな事がわからなくなるなあ。岩崎恭子が金メダルを取ったときは香港にいた、オウム事件のときはNYにいた、そういえばオットは東日本大震災のときもブラジルにいた。でも今回の場合、私は好きだけど世間全般ではそこまで脚光を浴びていないと思っていた人たちの話なだけに、戸惑ってしまう。ちなみにガンバファンであるオットがなぜそこまで松田に肩入れしているのか聞いてみたところ、「圧倒的にサッカーが上手いところと、圧倒的にムチャクチャな言動の共存。死亡報道は“サッカー上手いところ”にスポットが当たっていなさそうで悲しい」とのことです。NHKの海外版チャンネルとネットだけじゃわからないことが多すぎる。難しいなあ、もう。

なでしこジャパンに関しては今回のW杯に関してはほぼ全試合観ていたので、「そんな騒ぐなら最初からもっと盛り上げろよ、FIFAランク4位だぞ」もしくは「ああ、本当に結果で見せないとムリな競技なんだなあ」のふたつ。国民栄誉賞とかそっち方面はもらっても至極当然、驚いているのはそうじゃない、ミーハー・ゴシップ的な盛り上がりっぷりのほう。
丸山桂里奈の芸能活動がやりすぎって批判までついに出てるらしいけど、ホリプロも、だったら「女子大生スーパーサブ」として代表入りしたころから目をつけてやれよって思う。キャラも顔もあのまんまだったよ、確か。しかも女子大生。美味しいでしょう。あと丸山は東電OL辞めてアメリカ武者修行から帰って以来、今の所属チームからはお小遣いにもならないようなお金しかもらってなくて一時は「職業：家事手伝い」って名乗ってたくらいだから、そこそこ割のいい副業には当然飛びつくと思う。丸山がTVでアホな事をやってたら、それは荒川恵理子（代表からは外れたけど往年のなでしこの顔役。通称ボンバー）の西友レジ打ちと一緒だと思ったほうがいいかもね。
そして現役女子大生DF・熊谷のツイッター合コン(?)事件は…まあいいじゃん、サッカーは聖人キャラのプレイヤーばかりじゃ楽しくない。ヨユウの表情でフランクフルト（航空会社の計らいでビジネスにしてもらえたらしい）に旅立っていったのは逆に、さすが。「背がそこそこあって外国のスゲー奴を1対1でかなり押さえられ、かつキックの精度も高いセンターバックが日本にも現れた!!!」というインパクトは、10数年前、男子で松田が出てきた時以来なので、松田みたいに国内に留まることなく、どうぞ世界女子サッカーの歴史に残るDFになってほしい。

そしてその、背がそこそこあって1対1に強くて足元もあって聖人キャラじゃないセンターバック・松田に関しては、NHK上がりの経済学者・池田信夫が「為替介入も日立・三菱も経産省人事もあったのに、NHKの9時のトップは5分以上サッカー選手の話をやっている。編責の頭おかしいのか」とツイートして「人の命を軽んじている」と炎上したらしい。しかしこれ、ごめん私、ちょっとそっちの方に賛成かも…。っていうか逆に、色々隠したいんじゃないかって気が。あとフジテレビも「8月8日はフジテレビを見ない日」騒動がネットで持ち上がってるから敢えていつものK-POP祭りじゃなくて松田ばっかり出してないか?　見れないからわかんないけど。だとしたら、松田がかわいそうだよ。…と穿った見方をしつつ、実はブラジルのスポーツニュースでも松田を見てしまって、ちょっと衝撃の私でした。しかもわざわざアトランタ五輪の、「ロナウドから無理やりボールを奪うシーン」の映像までつけて…まあ、ここはサッカー王国というかサッカーバカ王国だからいいんだけど、日本は、皆そんなに松田のこと好きだったっけ?　いや、横浜駅周辺が献花の人で大変なことになってるのは、もちろん想像がつくしそれはいいんだけれども（個人的には、横浜に住んでマリノスの試合を生で観に行ってしまって松田に愛着を持たなかった人がいるんだろうかとすら思っているので）。東口ルミネの花屋とかそごうの花屋とか、西口シァルの花屋はつぶれてるとか、マリノス関連のツイッターTLには懐かしい風景がいっぱい出てきて、もう引っ越して1ヶ月も経つんだなあ…と別の意味でしんみりしてしまった。

ここで、「もし我々がまだ横浜で普通に生活していたらどうしていたか」をシミュレートすると、実際市長まで『横浜熱闘倶楽部』なるサイト中で声明まで出して悲しみにくれる横浜市のムードに気おされるまま、8/5（金）献花台設置日にオットがマリノスタウン（自動車関係なので木・金休みなんです）、8/6（土）柏はどうせチケット取れないから私がマリノスタウン、そして8/7（日）はオットが年休取って松本山雅の試合を見に松本へ…という展開が予想されます。まあそれでも桐生の通夜・告別式はさすがに厳しいから行かなかっただろうなあ…と思ったら。
「8/26（金）に松本である“お別れ会”には間に合うやん自分!　仕事もしてへんし行って来!　交通費はなんぼでも使ってええから!　でどんなんやったか伝えて!」とオット。･･･うーーーーーーーーーん、本当に行くんでしょうか?