ギンザ通信 (2)ファストファッションの街

moeringal2010-02-08

小麦色に焼けた白人男性との2ショット浮気写真です。うそです。


2009年中は男子が殺到して店の外まで行列ができていた「アバクロンビー・アンド・フィッチ」が、年が変わるとともにビックリするくらい空くようになったのでようやく行ってきました。昼休みに。そうしたら、なぜか1Fエントランスに写真のムキムキボーイがいて、しかも何故か彼とのポラロイド記念写真サービスなんかやっていたのでつい撮ってしまいました。だって意味不明のサービスじゃないですか(笑)

漏れ出すサブリミナル香水とかクラブ並みの音とかで近所の商店が文句を言っているというアバクロですが、「怪我も障害もない人間にとっては店内での階段の上り下りが多すぎる」という欠点はあれど、かなりコンセプトをがっちり固めたお店になっています。店員の配備も異様に多いから人が取って見て投げ捨てた衣類がそこら中に散乱しているわけじゃないし。値段もドル安時期だからそんなに高くはないけど、決して安くはないし(スウェット地のパーカーが7,000円くらい)。「そんな偉いもんじゃないだろアバクロなんて」とハワイ辺りのショッピングモールでのありようを思いつつ、今のところはそれなりにカッコいいお店だなーとは思いました。「銀座がチープカジュアルの街に落ちぶれている」という報道が頻繁だったけど、アバクロに関して言えば、いやあ、そうでもないんじゃない? という感じ。ちょっと高いから、継続的に売れるかどうかは謎だけど。


次にその向かい側の松坂屋に入っているグッチが撤退する(まあ、すぐ近所にグッチオンリーのフラッグシップビルがあるので、今までが異常と言えば異常な出店ぶりだったとも言える)という話と、本当かどうかわからないけどその後に「FOREVER21」が入ると言う話。これはどうなんでしょう。シンガポールとか色んなところでは、21どころか完全にティーンファッションのお店って言う印象が強いブランドなんだけど。銀座松坂屋もさびれてるから、この調子でどんどんギャルショップが入って名古屋における丸栄みたいな感じになるのかなぁ。1F〜2Fはアバクロも吹っ飛ぶ爆音の四つ打ちサウンド! みたいな。銀座松坂屋のお好み食堂には500円の平日ランチがあって、密かに私のNo.1行きつけ店なんだけど(工場&社員食堂ライフが長かったので、昼食に600円以上出すのって、銀座ライフに慣れた今では逆に、密かに抵抗があります)、「これマジうめーよ! 500円だしマックより安いじゃん」とか言うギャルに占拠されちゃったら困るなぁ。それが一番の問題。


そう言えば「H&M」で面白い光景を見ました。厚化粧にエルメスバーキン、シャネルの新作、フォクシーのコート、残念なことにすべて本物…という「高級ホステス(洋装バージョン)」ファッションで固めた50代・30代・20代の3人組がすぐ側にいて、あまりの場違いな派手さに思わず聞き耳ずきん状態になってみたところ、どうやら『母・嫁・小姑』というイレギュラー編成らしい。「【母】ほら、●●さんも買いなさいよー! ほんとどれもこれも値打ちだわー」「【嫁】(本当はダウンコートなんてこのフォクシーで十分なんだけどなあ)そうですね、はい★」「【小姑】ママー、これも安いー」などと大騒ぎした挙句、基本的に単価5,000円を超える商品があんまりないはずの「H&M」でなんと合計8万円のお買い上げ。しかも3人とも、完璧な名古屋イントネーション。 確かに名古屋ではこういう高級ホステスファッション(洋装バージョン)の親子って平日の松坂屋高島屋ではいくらでも見かけたものだけど、中国人富裕層観光客以上にめちゃくちゃ浮いてたよー。でも、確かに「H&M」は名古屋未上陸なんです。グッチやエルメスだったら名古屋の外商と懇意にしているデパートで買ったほうが、少なくともお得だし好きなものを取っておいてもらえることもできるわけだし、そりゃこっちのが楽しいでしょう。


そして、「H&M」でバカ買いする名古屋マダム&名古屋嬢こそが、今の銀座を象徴しているのかなあと思う今日この頃だったりします。そう、地方から来た人が『銀座』に求めるものはこれなんだな、っていう。それはイコール『“最新”とは何なんだ』ということなのかもしれない。私は一時代前に有楽町西武に強烈に憧れた人間だけど、その頃はきっと、それが“最新”だったんだろうし。だとしたらそれが日本のハイファッションだろうが、海外高級ブランドだろうが、ファストファッションだろうが変わらないよね。
そして、そう言えば「マクドナルド」も「スターバックス」も、銀座に日本1号店を出しているんだよなあ…という事実を、ふと思い出した私でした。


西武有楽町店、業績低迷で年内閉店


セブン&アイ・ホールディングスは26日、傘下の西武百貨店有楽町店(東京都千代田区)を年内に閉店する方針を明らかにした。

 消費者の百貨店離れと景気低迷が重なり、同店の業績改善が難しいと判断した。東京都心の繁華街にある百貨店の閉店は、百貨店業界が置かれた厳しい環境を浮き彫りにした格好だ。

 西武有楽町店は1984年開店。銀座や丸の内に近く、大手企業や大型商業施設が集積する好立地が強みで、95年からは若い女性に照準を合わせたファッション専門店として展開してきた。しかし、最近はユニクロなどカジュアル衣料店などとの競合が激しくなるなど事業環境は悪化し、関係者によると、少なくとも2005年度からは赤字が続いていたという。

 セブン&アイは、09年8月にそごう心斎橋本店、9月に西武札幌店を閉鎖するなど、傘下の百貨店のリストラを進めている。西武百貨店は、有楽町店が閉店すると残りは14店舗となる。

(2010年1月26日20時29分 読売新聞)