ギンザ通信 (1)絶滅期の街

『ホステスが風俗に流れる〜「銀座」ネオン街大量絶滅期』という見出しを電車の中吊りで見かけた。今週の週刊新潮の1トピックなんだけど、そこでふと、今さらのように気づいた。そうだ私って“銀座のオーエル”だったよ! …というわけで、銀座レポートです。


実際どうなっているのか、というと、とりあえず“大量絶滅期”は間違いないと思う。現在の私の勤務地は、ブランド街と歓楽街の境界線みたいな場所にあたるんだけど、それはそれは大量に店がつぶれていく。そこら中に「テナント募集」の貼り紙があるし、私が転職してからのわずか半年弱の間だけで有象無象のクラブは勿論、ふつうの路面店だってBALLYもヴァンドーム青山も個人的にゴージャスで見応えがあったセレクトのストラスブルゴもつぶれた。ちょっと離れるけど靴のリーガルの路面店もつぶれるらしい。私が来る本のちょっと前に並木通りのJ&Rがつぶれていたらしいのは軽くショックだった。若いとき、手が届く範囲と言う意味でよく出入りしていた店だったから。


話変わって会社帰り、どう見ても“開店の花”みたいなのがたくさん並んでいるのを見ることも多い。家賃の下落を上手く使って新しくオープンしたクラブだったりすることももちろんあるんだけど、多いのは「誕生日祝い」と書かれたものだ。つい最近、そこそこキレイな広いビルの1階に驚くほどズラリと豪華な花が30脚近く並んでいて、見ると「●●ママお誕生日&一周年記念」と書いてあるのを見かけたときは何となく驚いた。錦だと、6〜7脚お店の入口かせいぜい廊下に並んでいるのしか見たことなかったし…。このご時勢に、本当のオープンでもないのにこれだけの花が並ぶってすごいな、とか。あと、この人はきっと飛ぶ鳥を落とす勢いの若手やり手ママなんだろうけど、景気がいいときはもっと普通の若い子相手でもこんな風だったのかなあ、とか色々想像してしまった。ちょっとしたプレゼント用の花屋さんの屋台は今でも幾つか見かけるけど、実際に花でこの街が溢れていたとしたら、どれだけ美しかったことだろう。私は「徒花」と言う言葉が決して嫌いではない。実際、結構ホステスさんって好きなんだよね。特に着物の人。若いギャルがそれでもキッチリ着物を着て背筋を伸ばしてエルメスのミニケリーなんか持ってるのを見ると、一瞬ウットリしてしまうことがある。あと、出勤途中のそういう女の子も、実はつい先日まで名古屋にいた自分としては、「フツーにそこそこオシャレでお化粧も上手な女子」にしか見えなかったりするからカルチャーショックだ。既にドレスアップ済の女の子ですら、洋装だと「カッコいいor人気職業の男子がたくさん来そうな結婚式2次会に急ぐ女子」にしか見えない(笑)いやあ、名古屋嬢って化粧濃いし、すごくキレイにしてると言えばしてるわやっぱ。

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仕事が早めに終わった夕方6時台、銀座・並木通りをちょっとマシな格好で歩くと、何を勘違いされているのかスカウトマンに声を掛けられることがままある。指輪もしてるんだけどなあ。あとよく見ると年行ってると思うんだけどなあ。でも、ちょっと嬉しかったりもする(笑) まあ、私自意識過剰で、10年前も渋谷の交差点を渡る前に誰からも声を掛けられない日には普段散々「うぜえ」とか言ってたくせに「ちょっと今日の格好と化粧、イケてないのかなぁ」とか心配になっていたクチなんで、人間本質は変わらないということかも。。。
ちなみに銀座スカウトマンが渋谷のスカウトマンと違うのは、「あああ、私ふつうのオーエルなんで!」と焦って答えたり無視したりしても「すみません」と丁寧に謝るところ。押尾事件でも話題になった(苦笑)“銀座のホステス”だけど、これ以上“絶滅”しないといいな、と思う。