「主人の影響」

結婚したからには、一度でいいから『VERY』主婦っぽくふるまってみたいなあ、というのが私の願望である。結婚相手のことを主人、って言ってみるとか。中でも育ちがよく社交範囲の広い「主人」の影響ですっかり何らかの趣味嗜好を持つ、とか。「主人の影響でオペラ鑑賞に凝るようになりました」とか、言うだけ言ってみたいよなあ、何か。


さて、話変わって日曜日にはkikiちゃんおよび懐かしい(しかし、そんなに何年も会っていなかったとは到底思えない)美しい友人2名が家に遊びに来てくれました。相変わらず皆美しくて目の保養になったぜ。っていうか私たちはかつて、その美しさとノリのよさ、男に媚びない身持ちのよさで世のエリートサラリーマンたちが是非一度合コンしてみたいと大評判だった4人なのである!!!(爆笑ですがまんざら大嘘ではない。何しろ当時はイベコン1名を含めた女子大生3人+日系国際線スッチー1人だったからね!) 夫もさぞかし目の保養になったことであろう…と思ったら「絶対若い頃には会いたくなかった」との事。ホホホ、やーねえ夫ってば。人生、だから面白いんだってば。


と、いうわけで、美しい女性陣と楽しい夕食を過ごした我々は、彼女たちを横浜駅まで見送って帰った後、ふとある事実に気づいたのです。


M-1見損なった!!!」裏番組の小室哲哉特番は(当然)私は録画していたんだけど、すっかり忘れてたよー。しかし、何やら余裕な表情の夫。あれ、夫、大阪ミナミ出身じゃなかったっけ? 笑いにもうるさそうじゃなかったっけ? いいの? 「M-1なんて大した事あらへんから後でざっと見ればええねん。むかしのお笑いはなぁ…」と偉そうに語り始める夫。うーん、さては懐古趣味だったのか。しかし何やら昔の血が騒ぐのか、どうしたことか夫は、「むかしのお笑い」をYoutubeで見せ始めたのです。以下、お笑いにそれほど強くないもののバラエティ番組(ただし、そこまでクイズ度が強くないもの)はそれなりに好きな私の覚え書き。


千原兄弟は昔から存在は知っていたけど、何で芸人バラエティにおける千原ジュニアはそこまで崇め奉られているのか、とか、子どもと、あとはそこから応用させて最小公倍数やら最大公約数を教えようとしていた一部教育ママにも受け入れられていた「サン!」一発屋にしか見えないナベアツが何で同じくそんなに若手芸人の間で神格化しているのか…等々、芸人の間でだけ妙に格の高い扱いを受けている人たちの存在が、かねてから私は謎でした。しかしようやくわかったような気がする。

この人たち、10年ちょっと前の大阪ローカル番組ではめちゃめちゃキレた芸を見せる芸人さんだったんですね。

きわどいし品がないけど勢いと激しい動きが共存する芸の数々に私は圧倒されました。ジュニアさんが仕切る『メガネ部』(意味もなく途中でブリーフ一丁になる。他の部員は陣内智則など。ちなみに陣内は陣内で、10分間のピンドラマとかものすごく凝った芸ができる人だった。びっくりした)とかナベアツが相方とやってた頃の『葬式DJ』とか、どれも異常なまでにハイテンションでシュールで凝っている。なんだ、これー!!!


「主人の影響で10数年前の関西ローカル深夜番組に凝るようになりました。中でも『すんげー! Best10』は、ケンドーコバヤシさんが“小林友治”だったり世界のナベアツさんが“渡辺鐘”だったり、そうそう、なだぎ武さんは難しい漢字を書く本名で活動していたり、しかもそんな彼らが自由自在な組み合わせのメンバーでコラボしていてどれも面白いんですよ! 結婚式で主人の学生時代のお友達が披露してくれた全身タイツの芸も、なるほどと納得できました」…ああ、気付けば『VERY』は遠くなる一方。まあ、ホントに面白かったけどね。