ノー・モア・ブランド

moeringal2009-08-06

そういえば、柄にもなく「寿退社」なんてものをするのでした。


●年半勤務した会社も、明日が最終出社日になる。一応内定を取った、結婚相手との同居が可能な立地にある会社の入社予定日は9月1日だから、そこまでは退職休暇と言う形なんだけど…まあ、ほんの2週間かそこらか。

退社の意思を伝えた6月末からは、まああっという間だった。抜歯騒動とやけど騒動でそれどころじゃなかったという説もあるけど。マンションも買っちゃったしなあ。一方で、母は介護に手一杯で、せっかく頼んだ家政婦さん(気はいいしやる気はあるし融通もきくんだけどイマイチ気が強くて押し付けがましい)も祖母は気に入ってないみたいだし。ハッキリ言って、気づいたら送別会ラッシュに巻き込まれ、荒れ放題のリビングに花がいくつも咲き、そして暑さの中一瞬でグッタリ萎れた…という、正直なところそんな感じ。


しかし、私も一応フラワーアレンジメントを少しだけでも習った身。酔っ払ったまま一応水切りをし、花瓶に生け(まあ、今時の花束=ブーケはスパイラルに組んであるので結束したままドボンと水に入れちゃえばいいんですが)、何とか延命措置を図りつつ写真も撮っておきました。まず、後輩の技術系男子が選んでくれたお花。
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所属しているチームの送別会でもらったお花。ちなみに右上のマグカップに生けたプチブーケは、職場でも特に仲のいい女子会で頂いたもの。
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退社手続きにはのべ3日かかって、うちの会社の場合「辞表」と墨で表書きした封筒を書く必要なんかは一切ないんだけど、他の諸届はものすごく多かった。社内預金の解約、健康保険組合の脱退と退職休暇中有効なペラペラの紙保険証の申請、持株会の脱退と継続積立の申し込み、労働組合の脱会届、労働金庫の解約、ついでに住宅積立の目的解約と結婚の手続きも。これでもかとサインをし、印鑑を押す。印鑑を押す度、しみじみと、「ああ、私って『大企業』の殻にガッチリ守られてたんだなー」と思う。いちいち面倒くさくて、ハッキリ言って結婚と転職が重なっていなければ、きっと途中で辞めることに対して挫けていたと思う。


いざ辞めることになって、改めて気づいたことがある。かつて私はコンパで、いわゆる一流企業に勤務している、妙にプライドの高そうな、女の子に尽くされる事に慣れきっているような男達に対して「あんた達なんか、その首にかかってる社員IDと名刺をとったら何が残るの?」と心の中で叫び続けていた。でも、私だって人の事を言えるような立場じゃなかった。私だって、会社の名前と総合職という肩書きだけでおおいに男達を感心させ、一方で恐らくは「ハケンなの」「一般職なの」と可愛くサラリと言える女の子達に比べて多くのロマンスの種を逃した。閑話休題、ともかく私だって、勤務する会社の名前というブランドに公私共に守られ続けていたのだ。

これからどうなるのか。ほんの少し不安で、ほんの少しワクワクする。残りは自分でも意外なほど冷静だ。