名古屋マダム・幸せの法則

文字にするだけで寒気が走るタイトルはわざとです。

会社が休みになっていた平日のとある日、従姉Yに会ってきた。年に数回しか会わないくせにその度にこの日記でネタにされているのは彼女のインパクトとパワーがあまりにも強すぎるからである（同じ血が一定量含まれているとは思えないくらい）。バブルの申し子、消費の女王様、リボ払いのフロンティア…等々彼女を表現する言葉はいくらでも思い浮かぶのだが、しかし恐ろしい事に、彼女はお金に困らない生活をゲットし早くも10年以上が経過している（旦那さんは時々困っているらしいが）。「金は天下の回り物」と言う言葉を、彼女に会うたびに思い出さずにはいられない。

さて、子ども2人が学校へ行っている時間帯を狙って例の新築マンションを惜しげもなく完全リフォームしたY邸を襲撃、歓談ののち、私たちはランチに繰り出した。今回はその時の彼女の話である。

★☆★☆★☆★

自他共に認めるランチマダムである従姉Yがまず「行った事あるぅ?」と聞いてきたのは高岳の人気イタリアン系洋食店。しかし、予約の電話をしてみたところどうやら定休日だったらしい。
次に私たちはとりあえず家を出て、「名前忘れちゃったんだけど、多分ねえ、そこなら空いてると思うんだよねー」と言う吹上のイタリアンを目指す事にした。…しかし、残念ながら店は真っ暗だった。ここも定休日である。　
次に「じゃあさ、そこは知ってる？」と次に候補となったのは千種の某フレンチ。行ったことはあるけど、実際美味しいし品数多いしいいお店である。久々に行きたいから是非。「私たちも最近すっかりそのお店が好きでさー。でも、予約しないとダメかも…」と言いつつ、営業してるかどうかの確認も含めて電話してみたら案の定予約で満席の旨伝えられてしまった。っていうかいつの間にそんなに人気になったんだー!!!　
…というわけで、電話してみたところ大丈夫だと言われた「うーん、じゃあさあ、ウチのすぐ近くなんだけどね…」というイタリアンへ行ってみる事にした。しかし、駐車場が空いていない。契約駐車場はもちろん、回数券を用意してくれているという隣のコインパーキングも満員である。「どうしようかなあ、とりあえず聞いてみよう」と一時停車して店に入っていた従姉は、しかしあっと言う間に戻ってきた。「今ねえ、赤ちゃん連れのご家族が出てきたから、多分空くよ!!!」　…果たして、見事に空いた契約駐車場を見て、従姉Yは言った。

「うわーーー、今日はツイてる!　運がいい!」

もう1回まとめてみると、私たちは今日、ここまでで既に3軒もの店に諸般の事情で入れなかったのである。しかも最後の1軒とて駐車場が空いていなかった。運がいいか悪いかで言えば間違いなく『悪い日』、だと私などはジャッジしてしまう。しかもそうこうしているうちに13時を回ってしまったのだから、1回転して駐車場が空くのだって当然と言えば当然なのだ。
これを「運がいい」と言い切るのってすごくないだろうか。ちなみにその後の展開はと言うと、接客のマダムに「いやあ、丁度出て行かれた方がいてラッキーでしたぁ」「久しぶりに来ましたあ」と満面の笑みで話しかける従姉の人柄が功を奏して、デザートが一品オマケされてきたりした。いつもの私なら「ランチタイムはもう終わりなのだから売れ残りを提供するくらい痛くも何ともないに違いない」と判断してこれと言った感慨もないのだが、えーい、ここはもう、　「やったあ、ラッキー★ありがとうございますぅ。しかも美味しいし!」　と叫んでおこう。

「悪運の強い女」として親戚間でも評判の彼女だけど、何だかあの、アンラッキーは全て忘れてささやかなラッキーだけをいつまでも覚えて喜ぶ、異常なまでのポジティブシンキングこそが、さらなるラッキー＝幸せを呼び寄せているような気がしたから。

【アリーナ ベニーニ】　池下・千種区役所裏にあるイタリアン。食べたのは2,000円弱のパスタランチだけど、デザートがワゴンで8種類運ばれてきた!!!　（選べるのはその中から2種類。さらに1種類オマケしてもらった）さらにアイスクリームも3〜4種類からひとつ選べる!　ワゴンサービスのデザートってかなり久しぶりに見たので興奮しました。最新ではないけど、外見よりはぐっと落ち着いた雰囲気で居心地よし。
http://www.venini.jp/