またひとつ歳をとりました

またひとつ歳を取りました。トシを取るってどういう事なのかなあ、とちょっと考えてみたのですが、ここ数年で大きく変わったことがあります。それは、「いや、そりゃあ私はガチャピンが好きだけど、でもムックだってそれなりにいいよな」という感情の発生です。

ガチャピンとムックとは、当然あの子供番組「ひらけ!ポンキッキ」「ポンキッキーズ」の2匹です(近年もコムサタワレコのマスコットになっているのを見かけましたが、番組そのものって今でもやってるんでしょうか?)。かつてというか3才頃から25才頃まで、私は断然、ガチャピン派でした。ちょっと出っ歯だけどくりくりした寝ぼけまなこが可愛くって有能で実はちょっとだけ腹黒い気がしないでもないガチャピン。スキーからロッククライミングまでお手のもののスポーツマン・ガチャピンある意味、私が思い描く理想のボーイフレンド像はガチャピンが原型になっていたと言ってもいいかもしれません。
ところが数年前のある日突然、たまたま何かの拍子に「ポンキッキ」を久々に見た際、私は思ったのです。「うーーーーーーーん。今まであまり考えてこなかったけど、ムックっていうのもアリだよなあ」と。
ムックと言うのは、少なくとも相方のガチャピンに比べて、きわめてアピールポイントに欠けるキャラです。ガチャピンのように明らかに顔が可愛いわけではないし、何か特技があるわけでもなさそう。だって、主な仕事はガチャピンの応援だし。何となく漠然と料理なんかは得意そうな気はするけど、それも確証はないし。ぶっちゃけ、その存在意義はナゾの一言に尽きる。
しかしムック、何となくこのトシになってみると悪くないような気がしないでもない。無茶をするガチャピンを優しく見守り、時にはその真似事をおつきあいしてくれるムック。多少毒を吐いてもあくまでも悪気のないムック。見た目もまあ、何十年も見ていればルックスがいいとか悪いとか思う事もなくなります。…なんだ、別にムックだって悪くないじゃん。

『切羽詰まってポリシーを失くす』『理想を捨てて現実を求める』とかではなく、あくまでも『より多角的な視点と価値観の習得』と『多様性の受容』。オトナになるってこういう事なんじゃないかしら。…とおそろしく訳のわからない内容で、今年の誕生日の所感を〆ることにします。