極私的「モテの極意」/恋はクルマにつれ、クルマは恋につれ(Part 1)

この日記においても「モテとは何だ」みたいな話を何度となく扱ってきたけれど、例えば(まあこの年齢になるとそう思う事も殆どないんですけど)「男の子にモテたい!!!」と思った場合に我ながら唯一無二の武器だと思っているもの、それは『クルマを褒め上げる』という謎のスキルである。
とりあえず話題の流れに沿ってどんな車に乗ってるのかさりげなく聞く。そこまでは単なる興味本位なんだけど、私の場合はそこで最低限のポイント(メーカー、モデル名、中古か新車か…くらい。車好きの男の場合はそれにエンジンとミッション辺りが入る)を聞くと即座に『褒めポイント』をつかんで何らかの称賛をするという、もう自分でも意図的なのか本心なのかはたまた単なる反射かわからない行動が、どうやら男心を掴むらしいのだ。時として誤解を招く事もあるので厄介な習性でもある。
ちなみにこれ、別に自動車メーカー社員だけではなくあらゆる職業の男性に有効な模様なんだけど、冷静に考えればそりゃそうだよなー。友達にもらった、ってパターンを除いて、最低でも数十万円の買い物になるわけだし。そこには当然、何らかのポリシーが出てくるわけだから、そのポリシーをがっしり掴めば、そりゃ悪い気はしないに違いない。
…というわけで、今までありとあらゆるクルマを褒めちぎってきた。ベンツだポルシェだといった外車勢やスバルのレガシィインプレッサダイハツコペンみたいな「好きなヒトは好き」なタイプの車はは勿論、ホンダ・フィット、スズキのワゴンR、15年落ちのトヨタ・クレスタまで徹底して褒め上げてきた。クルマとしての知識がなかろうがエンジン音やシートの座り心地に魅力を感じなかろうが、今度は「シンプル」「車庫証明が要らない」「おじいちゃんのお古」とかそういった経緯を聞けばそれが『褒めポイント』になる。楽勝だ。
ちなみに私が今まで乗って最高に褒めちぎったクルマの一つに、飲み会に行く時に派遣の女の子が乗せてくれた日産・マーチがある。ルックスが可愛い、配色が好み、内装も安っぽくない…等々、評価ポイントはいかにもシンプル。単に私自身の好みってだけなんだけど。
っていうかよくよく考えたら、レンアイ対象になり得る男の子に留まらず、職場の上司や現場のおじさんや女友達の車まで、車に乗せてもらったが最後、常に褒めまくっているような気がする。これはもう、モテの極意でも戦略でも何でもなく、タダの習性なのかもしれない。