遙かなるジャパン・アズ・ナンバーワン

最近何となく仕事関係がイマイチです。今やってる仕事にあんまり意味を見出せなくなってるのが重症。朝ばっかり早くて明日も本社で会議があるから5時起きなんだけど、その30分が辛い。アメリカ大陸相手の仕事は体力的に辛いよー。

昨日ニュースを点けたら『トヨタ、販売台数世界一に』という速報がテロップで出ていました。でも直後に『トヨタ、販売台数世界一を逃す』の速報がもう一回入ったりして何やら情報が錯綜している模様。翌朝の新聞も上記二つに加えて『トヨタGMと肩並べる』なんて見出しもあって、各メディアがトヨタに対してどんな感情を抱いているかよくわかる感じで面白かったです。
ちなみに情報が錯綜した原因は、GMが最初から1台単位までの台数を発表したのに対し、トヨタの広報は最初に千の桁を四捨五入した数字を公表したから、との事。実際はトヨタが936万6,418台、GMが936万9,524台だったんだそうです。ちなみに3,000台というのは、小型〜中型車であれば、ある工場の一つのラインが5日間(=1週間)で無理なく生産できる程度の台数。GMトヨタクラスのメーカーであれば世界中に生産ラインを幾つも持っているので、決して多くはありません。よって、個人的にはその程度の差を四捨五入してして発表してしまっているトヨタ広報の気持ちもわからなくはないけど。。。
でも、四捨五入はよくわかったけど、ところで世界販売台数ってどの段階でカウントするのか、そして自動車会社同士がちゃんとその単位を一本化してるのかどうかって事をご存知の方は、果たして自動車業界外にどれくらいいるのでしょうか。具体的には、例えば“販売ディーラーからエンドユーザーに納車された時点”“エンドユーザーと販売ディーラーが成約した時点”“メーカーからディストリビューター(各国・地域における販売総代理店。販売ディーラーはディストリビューターの傘下、という位置づけが一般的。本体メーカーとの資本関係はケースバイケース)に配車された時点”“ディストリビューターが(船で輸送するのにかかる時間を考慮して予測して)、メーカーに対してオーダーした時点”…どれも「販売台数」になり得る数字だと思いませんか? そこら辺、あまり各メディアの説明がなかったのがちょっと気になりました。
ただしどっちにしても今回のネタは、自動車業界の片隅で生きている自分も周囲も「別に…特にないです」の世界。むしろ、下手に反感買って折角作ったものを打ち壊されるデモでも起きる方が余程悲しいし、面倒臭い。マスコミの皆、そんなにジャパン・アズ・ナンバーワンの栄光を思い出したいの??? 

トヨタ販売台数世界一」速報 NHKフライングしてしまった理由
NHKが2008年1月23日午後11時前に、「トヨタ2007年販売台数、米GMを抜き世界一に」というニュース速報をテロップで流した。しかし、約1時間後の翌0時10分のニュースでは、「トヨタGMと販売台数で肩を並べた」というなんとも微妙なタイトルが出て、アナウンサーが「正確には世界一になっていませんでした」と訂正した。NHK誤報した背景は何なのか。
車の販売台数世界トップのゼネラルモーターズ(GM)が、07年の販売台数を発表したのは現地時間08年1月23日午前9時。日本では同日午後11時頃である。販売台数は936万9524台。これに先立って、GM越えが噂されていたトヨタは、08年1月10日に速報で同937万台と発表していた。単純に数字を見る限りでは、トヨタGMを追い抜いたことになる。
NHK広報はJ-CASTニュースの取材に対し、「いったんテロップで流したあとに、違う、ということでしたので後のニュースで説明しました。トヨタさんが発表した数字は千台単位を四捨五入したものだそうです」と話した。

■「思い込み」がミスを生む?
 トヨタ広報によれば、GMが販売台数発表後にマスコミ各社から取材が殺到。GMが1台単位まで販売台数を公表したことから、トヨタも詳しい台数を発表して欲しい、という申し入れだったという。それで、トヨタは07年に全世界で販売したのは約936万6千台、と回答する。GMに3千台ほど及ばないという結果だった。最初の数字は、毎回、万単位で発表することにしていたせい、だそうだ。
 車の販売台数は、トヨタが07年にGMを追い抜くのは確実なのではないか、といわれていた。読売新聞07年09月5日付けの夕刊でも、「トヨタは07年の販売台数でもGMを上回ることが確実視されており、生産、販売の両面で世界最大の自動車メーカーとなる」とニューヨーク外電で報じていた。NHK誤報は、トヨタが販売台数で世界トップのはずという「思い込み」があって、トヨタに事実確認することなく速報を流した、というのが原因のようだ。
【以上、J-CASTニュース