彼の最後の恋人

白昼堂々、しかも実家近辺以上のホーム・覚王山で、既婚者とお茶デートしてしまった。相手は元彼・M。そう会社の同期のMくんである。いや、単に飲みに行く約束を延ばし延ばしにしてた上、今日のこんな年の瀬ですら『彼のご両親&おばあさまとの対面が終わり意気揚々と実家へ帰るE子が寄る』とかさらにその後『今日が仕事納めの男子と飲みに行く』とか、予定が入りまくった末での白昼堂々なんですけど。すまんねM、酒の一杯も飲みたかっただろうに。
以前会った時と同じく仕事の話が大半だったんだけど、今回はもうちょっと色々と、例えば過去の事なんかも話したりした。大喧嘩したこととか別れた時のこととか、色々思い出したりもして。
結論としては、Mの学生時代の遊び仲間(軒並み類似のグループ企業に入社)が入社1年目にして続々と婚約・結婚して行く中「そうか、やっぱり社会人になったら皆家庭を持つんだ」と思い込んでいたMと、「仕事も遊びもやれるだけやって飽きた頃に結婚したい」と思っていた自分が上手く行くわけなかったなー、という事です。まあ当時からわかってたことなんだけどねえ。実際片や2児の父(マンションのローンあり)、片や海外旅行にグルメに習い事にそして多少はレンアイもと要は遊び歩いているトウの経った独身女(未だ実家暮らし)と、内定式後の初デートからかれこれ丸●年を経てここまで差がつくとは、いやはや。まあお互い初志貫徹したって事かしら。
「今思えば30くらいに結婚すれば十分だったなあ」と言うMに「高級レストランも南米もエジプトも知らないまま結婚して主婦になるのも幸せだったかもねえ」と言う私。もう手に入らないifの人生は時として、ちょっとだけキレイに見える。
「あの翌年つきあい始めた彼女とそのまますぐ結婚しちゃっただろ? だから彼女って意味では、あんたが最後の恋人なんだよ。っていうか何で別れちゃったんだろうなあ、俺」とヤバい方向に行きそうな表情のMを、「へへへ、惚れ直した?」とからかってあげた。
「おう、惚れ直した」
「それは光栄。でもそれは、Mくんとつきあってないこの何年で変わった何かや、曲がりなりにも積み重ねてきた何かがあるからこそかもしれないわね」
実際、あの頃の自分よりも今の自分のほうが、私自身も好きだ。同じように、あの頃のMよりも今のMに、M自身が自信を持っていられるといいなと思う。
…ちなみにすっかり後輩に『怖いおっさん』だと思われてるのを気にしてたM。この際、下手に若返りを図らず、割り切って職場のちょいモテ親父を目指すほうがいいかも。だとしたら、家庭の愚痴は言っちゃダメ。それから曲がりなりにもこの年で体脂肪率30%オーバーは、見た目以上に10年後の健康を気にした方がいいと思うなあ…って余計なお世話か。


【chez shibata】そうか、Mは恐らくデパートのバレンタインフェアからのし上がってきたこの多治見本店の店も知らないのか…と驚きました(ちなみにミッドランドスクエアにも行った事がないそう)。学生時代はこの界隈に住むイベサー小僧だったのにねえ…。イートインの、妙に鼻息荒さを感じる白基調のおされインテリアは彼に少し若者心を思い出させすぎてしまったかも知れません(笑)
http://www.chez-shibata.com/


【Yakitori Dining Bar しげ 住吉店】 こぎれいコンテンポラリーなインテリアのせいか女性客の多い焼き鳥屋さん。種類も豊富。酒類はサトクロ(佐藤の黒)がやたら安くてびっくりした(ちなみに富乃宝山とかのお値段は普通)。
http://www.shige-group.co.jp