はれときどきぶた

朝イチでアメリカ方面と電話やTV会議をする必要もないし、今日は上司も休みだし…という事で事前予告付でいつもより30分遅れて出社。…しようとしたところ、その途中で変な大型犬の散歩に出くわしました。大型犬にしては珍しく、まるでチワワかミニチュアダックスに着せるような感じで、ちゃんと服を着せられている。特注なのかはたまた適当に古い毛布で作ったのか、セーターと言うよりは毛布を巻いて穴を開けた感じでかなり暖かそう。その毛布もとい服からはみでた部分を見る限り、どうやら病気なのかなんなのか、ツルッと禿げていて地肌が透けてしまっていて(ただしその色は綺麗な薄ピンクでつやつやしていて非常に健康そう)、そして腹回りがやたら太い。いかにもデブなセントバーナードなんか実は殆ど毛足だったりするのに対し、こいつは完全にメタボリックな腹。禿げだから明らかなのです。そして最後に尻尾。盛んに振り回していてご機嫌そうだけど、やたらちょろりと細い。顔は…
ブタでした。
そう、ブタ。しかもいわゆる映画『ベイブ』みたいな小型〜中型犬サイズのミニブタではなくて、どうみてもかなり大きいブタです。大きさはセントバーナードを思いっきりメタボにしたくらいで、しかもみっちりお肉が詰まっているので100キロ近くはあるでしょう。きちんとお洋服を着たピンクのブタが、鈍臭いながらも嬉しそうによちよちのたのた(と言っても大きいので人間にはちょうどいいお散歩ペース)歩いている…シュールですが、美味しそうです。
しかし、なぜ大きなブタ? 
私が思ったのは、本当はミニブタを飼おうとしたにもかかわらず悪質なペット業者に騙されて大きくなる家畜用ブタを買ってしまったのではないかという事です。しかし、そこまで育つだけの時間を過ごしてしまったので、今さら牧場に進呈するのもかわいそうだし、そのまま家族の一員となっている、みたいな。しかし調べてみたところ、「普通の家畜用ブタは250キロくらいになるのに対して、ペット用のブタは100キロ以下」とあったので、メタボリックが進行しているだけで単なるミニブタの可能性もあるようです。意外と大きいのね、ミニブタって。
ちなみに家に帰ってから両親にその話をしたところ、父は真顔で「しかしこれ以上大きくなる前に、そのうち始末の仕方というか、事前に肉屋とかに頼んでおかないといけないだろう」と言いました。家族の一員を時が過ぎたらトンカツにして食ってしまう気なんでしょうか。食い意地の張った父らしい台詞です。動物愛護協会が聞いたら怒りそうなネタですが、それとも家畜用ブタなら問題ないんでしょうか。
そしてそれに対し、「何いってんの、もちろん手厚く葬るに決まってるでしょう!でも大きいから埋めるスペースもないし、八事で焼いてもらって骨を大事にとっておくしかないわねえ」と怒る母。確かに八事霊園にはペットの火葬場がありますが、調べたところ「死亡動物の火葬は他の動物とまとめて行いますので、立会いやお骨を拾うことはできません」と書いてありました。それもペット好きには辛い話だなあ。個別で焼いてくれるペット用の私立のお焼き場なども、別途存在するのでしょうか。それにしてもうちの両親は相変わらず、変なところだけ具体的です。
ちなみに八事霊園では、『猫又はこれと同等大(5kg未満)』『中型犬又はこれと同等大(5kg以上15kg未満)』『大型犬又はこれと同等大(15kg以上)』の3クラスに分かれて焼却量がさだめられているのですが、100キロのブタ、の場合はやはり、大型犬サイズが適用されるのでしょうか。明らかに桁、違うんですけど。
それにしても大きなブタは意外に可愛かったです、ピンク色でお行儀も良さそうで。でもやっぱりシュール、あまりにもシュール。衝撃のあまり写真を撮る余裕がなかったことをお許しください。