ジェットコースター茶道

moeringal2007-10-20

さて、風雲急を告げるカルチャーセンター茶道教室である。私が入ったのは隔週土曜の朝というクラスで、特に初心者とか上級者とかはなく、普段はヨガとかエアロビとかしていそうな教室にむりやりインスタント畳を敷き、折りたたみ式床の間を置いて、炉を3つ設置し茶室としたごく簡易的な教室なのだが、そうした気軽さとは裏腹に大きなうねりが私を襲いつつある。
とりあえず初回、いきなり12月に開催されるというカルチャーセンター内各流派合同茶会のチケットを渡された。一枚三千円、新規入会者の私は一枚だけど基本は各自二枚割当て、費用は先でいいし行けなければ返してくれても構わないから取りあえず持って行ってね、というのが逆に有無を言わせない雰囲気だ。熱田神宮開催だそうです。まあ、面白そうなんで別にいいけど。熱田神宮も、一度お祓いに行って以来早数年行ってないしなあ。
しかしながら、どうやら会費以外にも色々と出費がかさむものになりそうだ。さらに私は茶道具も所持していない。幸いこのカルチャースクールでは特に道具の販売はしておらず、家にあるもので問題なしとの事だったので、節約の為祖母宅に侵入しそれらしいものを頂戴してきた。流派は不明だけどどうやら問題はなさそう。30年近く前のものだと思われる懐紙(お菓子を載せたりする紙)もそのまま使ってみよう。ただし、袱紗だけは買いました。亡き祖父のものを洗濯したら溶けちゃった(!)から。
かくして2回目のお稽古に臨んだ。どうやら私はクラスでは久々の初心者のようで、相変わらず「最初、入口で立ったまま『おはようございまーす』とだけ言ってそのままズカズカと部屋に入ろうとする」「畳の縁を踏む」等、無知を差し引いても度々周囲を凍らせるお行儀悪い行動を度々しでかしながらも、先回に続き他のメンバーの皆様が非常にフレンドリーに話しかけて来たのも新鮮な経験だった。OL3人組に挨拶すら無視されたある日の料理教室(2006年11月20日参照。実際はもっと大変だった)とはえらい違いである。メンバーは中学生・高校生各1名、30代後半の独身男性3名、あとは概ね私と同世代の女性で合計12名、茶道歴も5〜6年から半年まで様々という陣容で、見るからにキャラが濃い上、そのメンバーで京都日帰りドライブなどにも行った事があるらしい。さっそく12月2回目のお稽古の後にあるというランチ忘年会に誘われてしまった。すごいなあドライを求めてカルチャースクールに入ったのになんかすっごい『お稽古事』って感じだよ。しかしそれはそれで面白そうなのでいいけど。
ちなみに今日のお稽古では11時過ぎに何やらショートカットをビシッと美容院でセットした感じでお化粧も濃く優しげながらどことなく迫力満点の、しかし着物の柄が錦の大ママさんのそれに比べて非常に地味で落ち着いたものながら値段はそれ以上といった風情の中年女性が入ってきた。『奥様』なんだそうだ。どうやら家元の奥様、という事らしい。私は新しく入ったという事で何やら挨拶がてらに袱紗さばきを丁寧に教えて頂く事になったんだけど、いやはや迫力だったなあ何か。「とりあえず続けてみてくださいね、色々とまた見えてきますから」とお言葉も頂いた。いやはや。
さてそんな感じでお茶を2回行ってみたわけですが、なんかすごく一つ一つの動きに意味と整合性があるなあ、というのに感心しています。20才過ぎまで抹茶が飲めなかった&25過ぎるまで和菓子の美味しさがわからなかったせいで敬遠していたけど、もっと早くから通えばよかった。「金融法人営業マンのゴルフ」的感覚で始めてみたわけですが、単に即物的な「おつきあい」「おもてなし」「Japanese Cultureの理解」「お行儀」「正座に慣れる」とかだけではなく、気遣いとか気分の安定とか、精神的な面で勉強になる事も多そう。まあ、無理のない程度に続けていけたらいいかなと思います。