オヤジ同士のお見合いアワー/「BANDやろうぜ」

需要に応じて自動車関連メーカー飲み会コーディネーターを続けて早●年、ただしなかなか供給に応える事はできず…の私ですが、この度ついに合コンではなく1対1の「お見合い」をアレンジさせて頂く事と相なりました。しかも男(ともに既婚者)同士。そして真剣。これって昇格って言うのかしら、はたまたアングラ化っていうのかしら。
…とは言えお二人とも、残念ながら隠れホモでもなくストレートです(たぶん)。さらに言ってしまえば、ぶっちゃけ単なる『バンド結成を目的とした、ベースとドラムの顔合わせ』。きっかけは、今の半常駐先での飲み会。上司代わりになってくれてる元アジア地域駐在員・K氏と喋っていたところ、「しばらく日本で落ち着けそうなので、バンドを組みたいと思っている。自分がベースで、ドラマーとボーカルを現在募集中。特にドラマーは見つかるかどうか不安だ」との事。聞けばK氏、かつてかの『イカ天』でTVに出た事もあるらしい。何かと大きい事を口走りそうなキャラながら、どうやらブラフではない模様で驚いた。さらに同じ部署のギター・F氏も、比較的最近まで四日市(彼は三重県にある他社から出向している)のライブハウスに頻繁に出ていた、との事。うーーーん、音聴いてないから何とも言えないけど、何やら上手そうだしプライド高そうだなあ。
そこで思い出したのが会社の先輩に当たるドラマー・Y野氏である。1年半前にようやく結婚したY野氏は、ヘビメタ・フュージョン・和太鼓まで、頼まれればどこでも叩きに行ってしまう御仁である(おかげで彼の二次会は関わる全バンドが勢揃いしえらい事になっていた)。リーマンの傍らクアトロで正式公演を打ったり演歌歌手の地方巡業時のバックバンドのバイトをしたりしていたY野さんに失礼があったら嫌だなあ、という事でバンドやりたい人に紹介する事は今まで控えていたんだけど、逆にこの人たちならいいかも。そんなわけで久々に連絡を取ってみたところ、「関心がある」とY野氏も快諾。
そんなこんなで今日の佳き日を迎えたわけです。ギターF氏が長期の海外出張中なので、とりあえず二人を引き合わせてみる事にしました。…とは言え、お二人とも40才前後。会社では私の大先輩にあたります。彼ら自身の仕事的にも同じグループ企業の社員同士だし、失礼があってはいけません。一対一ですから誤魔化しもききません。K氏は日本人離れしたテンションだし、一方のY野さんはバンド活動縮小傾向って言ってたし、ああ、大丈夫かなあ…と内心心配ながら、会は始まりました。

結論から言えば、ややK氏のあふれるバンド結成への情熱が空回り気味ながらも大成功!!! 何でも、十数年前、プロ志向のバンドコンテストの、まったく同じ大会の本選に出たことがあるんですって。K氏がY野氏のバンドをよく憶えていたりもして一気に盛り上がったその後は、散々それぞれが組んでた昔のバンドの思い出話やら音楽談義やらで盛り上がり、18時半から始めた会も気付いたら22時過ぎ。熱く握手をして別れるお二人でした。ああ、よかったよかった。
ちなみに彼らの反応は「やっぱり世間って狭いねえ…」ではなくて「奇跡のようだ!こんな人と今出会えるとは思わなかった!」というきわめてハイテンションなもの。バンドって時間とメンバーがいないとできないんですよね。だから大人になればなる程、今度はリタイア後のほんまもんの「オヤジバンド」にならない限り、なかなか結成して活動するのって難しい。特に彼らみたいな40才前後って、仕事も家庭も一番忙しい、物入りな時期だし。しかも、だからただ時間があればいいわけでもなくて、仕事や家庭との両立してバランス良く続ける意思を持ったメンバーってのが必須条件になる。そんな人なかなかいないから、「BANDやろうぜ」って声もかけづらい、のが実情なんだろう。そんな中、似たようなスタンスで似たようにやれるメンバーに出会えるのは、確かにすごいのかも。
太鼓腹のオヤジ2名は熱く語った上で、とりあえずセッションする仮日程を決めたようでした。実はK氏はヘビメタをやりたい衝動にかられていたし、二人とも徐々にオリジナルをやりたい思いがあるようですが、とりあえず曲目も『君の瞳に恋してる』と『September』に決定。オヤジのスリーピースで演るディスコミュージックってなんかお洒落で格好よさそうだなあ、と、私も楽しみです。…え、私? ええ、必要とあらば、お目汚しにならない範囲でご協力させていただきたいと思います。タンバリンとかなら何とかできるかな?(笑)