「ダリ展」発・食事時にはオススメしない都市伝説(時事ネタMix)

ある晴れた休日の午後、医者を生業としている友人ニイニイ(仮名)を誘って「ダリ展」を観に行った帰りに、本町通のCAFE FLOWでダラダラお茶をしていた(ダリ展会場である白川公園名古屋市美術館からは比較的近い)ところ、妙にグロでホラーな話に終始してしまった。ダリの妙にグロな作風がどう影響していたのかはよくわからない。
ニイニイには横浜へ嫁に行ったお姉さんが二人いて、ついその前の週、実家の法事で久しぶりに顔を合わせたのだという。バリバリ専業主婦であるお姉さんたちは流石というべきか、日頃の関心事の大半はワイドショーネタと食品ネタで、その日「まあ久々だから奮発してうなぎでも食べに行くか」という両親&ニイニイに、猛烈に反対したのだそうだ。
「危ないわよう、うなぎなんて!!! やめておきましょうよ!!!」
聞けば最近話題の『中国産うなぎには発ガン物質が含まれている』という報道に加え、『日本で食べられるうなぎの大半は養殖うなぎ』という事実、さらには『稚魚を中国から輸入し、日本で育てて国産うなぎとして販売しているケースも少なくない』『中国産の稚魚は、子供の死体を食べさせて育てている』という一部報道/噂との三段論法で、うなぎという食品そのものにに大変な抵抗感を感じているのだという。他にも余程の価格差がない限り中国産野菜には手を出さないよう、産地の表示に多大な注意を払って生活しているらしい。
「うーん、中国産だろうがミートホープの偽装コロッケだろうが、食堂で出されたらありがたく食べるしかない私には夢のような話だなあ」
ミートホープと言えば『牛肉以外の肉』って、アレ何なんだろうね? やっぱりあの有名な、ミミズの肉とかなのかなあ。マ●ドナルドって、やっぱり裏でキッチンでひき肉こねてなくて外注してるんだねー…」
ニイニイは『マクドナ●ドの肉にはミミズが混じっている』という有名な『ミミズバーガー』の都市伝説をふと思い出したようだ。
「私、学生時代●ックでバイトした事あるけど、アレってもう、ハンバーグ状に形が作られた『パテ』が入荷されてくるんだよー。ミートホープが入れてたとは思わないけど、とにかくキッチンはあのコロッケに似たような出来合いの固まりを調理するだけなの。だから確かにわかんないね、成分までは」
「ええっ、マ●クでバイトしてたんだー? でもそっかー、じゃあ内部に潜入してもミミズが混ざってるかどうかなんてわかんないんだ」
一介のバイトごときで簡単にわかればそんな伝説は流布しないだろう。本人が経験しなかったのはまあいいとして、医大の同級生に一人くらいいなかったのかなあ、マッ●のバイト経験者。…そこで私は学生時代に何度も耳にした伝説のバイトを思い出した。そうだ、こいつにはもしかしたらマ●クよりもこっちのバイトのほうが身近だったのかもしれない。
「ねえねえ、医大に行ってると、やっぱり『死体洗いのアルバイト』とかの話が回ってきたりしたの?」
あの頃、中国産うなぎの稚魚の餌や●ックの肉の成分よりもはるかにメジャーな噂というか既に事実として認識されていた『時給か日給かわかんないけど、とにかく給料3万円』のあの最高級バイトである。少なくとも私達の間では「こうなったら死体洗いでもして手っ取り早く稼ぐしかないのか…」「いや、ソレよりは吉原ソープ街の方が…」などという冗談交じりの会話が頻繁に繰り返されていた。ただし、経験談と言えば「高校時代の友達の友達で、医大に行ってるやつがやったらしい」という伝聞ばかりで、実際の経験者にお目にかかった事はない。…やはりここは、是非とも謎に迫りたいところである。
「それ、同窓会とかでも聞かれるし有名みたいだけど、行ってた大学ではそんな噂すら聞いた事なかったよ〜。似たような話で『新薬実験のバイト』は結構噂を聞いたけど…」予想に反して、ニイニイの答えはあっさりとしたものだった。
「ええっそうなの? だってかなり具体的だったよ、『ホルマリン漬けのプールが地下にあって…』とか何とかって。で、必ず給料は3万円だし」
「っていうか、そもそもご遺体に対して、そんな風にまとめてプールに沈めるなんて粗末な扱いはしないもん」
軽くショックでした。震源地だと信じられていた場所にはその噂すらなかったなんて! じゃああの、みんなの「友達の友達で、医大に行ってるやつ」はなんだったんだろう。恐るべし都市伝説。でももっと怖いのは、『羊や鶏の肉、骨、水、牛の血“など”』を実際に混ぜていたミートホープだ。「など」の中身にそれ以上他に何があるのよー。やっぱりミミズなのかよー。誰か教えて下さい。