エンジョイロンリー

都会のオーエルだった頃、私には密かな(?)愉しみがあった。
それはロンリー・ヌードル・ランチ。会議室で1コ下の女の子達とカップ麺や屋台のワンコイン弁当や時には懐石弁当などを食べつつ好き勝手なネタで盛り上がるお昼も、近隣の会社の友達と待ち合わせてちょっとお洒落目の店で食べるお昼も、外人のお客とフレンチ感バリバリの「タイガーカフェ」で食べるランチも嫌いじゃなかったけど、週に1回、密かに出かけて一人で適当に気が向いたものを食べるのは、妙に充実感あふれる当時の息抜きだった。
ちなみにネーミングは行き先が殆ど麺類だったからで、その頃一人で食べ歩いた女性客のいない店の味は今でもよく憶えている。やたら効きすぎな胡椒が癖になるあんかけパスタ「MaMaKaRa」や、美味しいのに最初ビックリするくらい流行らなかったテレビ塔横のとんこつラーメン屋「ぶぅ」。陽気がいい日にNHKビル横の小学校の陸上コース(なぜか誰でも入れる)から中部電力の谷間を抜けてきしめん食べにいったのは広小路通「まるみ亭」。食後はそのまま地下街でウィンドーショッピングや立ち読みをするのが定番だった。妙に解放された、ひとりの時間。
工場に異動してきて一番のストレスはその時間がなくなってしまったことだった。食べる場所が徒歩圏内に社員食堂しかないのはともかく、男ばかりの環境だから女はやたら目立つ状況、すぐ下世話な噂のネタにされるのは今でも嫌だ。下手にひとりで食べていると「あの子は周囲と上手くやれない」というレッテルを貼られてしまうのは目に見えてる。同僚の女性陣や出先で上司と食べる昼食も、もちろん嫌じゃないけど、でも、たまには一人になりたいかも。
…と思ってたら、ちょっとした私の思い違いや他の部署のお弁当付懇親会で、今日は一人でご飯を食べる事になってしまった。うっひょー、これで明日から「moeringalさんは村八分にされたらしい」「なんでだ?」とかって根も葉もない噂を立てられるんだろーなあ。あーやだやだ。一人で市街地を眺めながら食べるお昼も、それはそれでやっぱり結構いいものだったけどねえ。普通ならやれんな、やっぱ。
しかも今日は、会議長引いたあげく料理教室に遅刻。大学の語学の講義並みに30分以上遅れての途中入場は認めてもらえず、夕食まで一人でぼそぼそ食べる自分であった(しょぼん)