最近劇場ではNY舞台の映画しか観てない気がするんですが

というわけで、ネタバレ含む感想です。「プラダを着た悪魔」、ついにと言うかやっとと言うか行って来ました。愛するNYが!!! 愛するパリが!!! そして愛する「Sex and the City」のスタイリストが存分に腕をふるったファッションが!!! と、もうそれだけでハナマルをつけたくなってしまう要素だらけの映画。実際とにかくキラキラしててオシャレなので、そういうのが好きな人はレイトショー価格+パンフ購入で合計1,800円出す価値はあると思う(正価で観る価値は…っていうかそもそも大人1,800円って高すぎるよね)。
内容は、固有名詞の連発にはちょい辟易かもだけど、スーパーマガジンの編集長アシスタントになった社会人一年生の戸惑い&ジレンマの描き方がすごく「わかるわかる」って感じ。『自信満々で入社したのに、雑用以下の仕事ばかりやらされて理不尽な状況にやりきれなくなる』フレッシュマンにぜひ観て欲しいなあ。広報部に配属されて、毎日毎日ひたすら、理不尽なまでに新聞の切抜きをやらされてた頃を思い出した。同い年ながらもっと仕事らしい仕事をしてる(ように見える)当時の彼氏からは「いい身分じゃん、新聞読んでるだけで金もらえるんだから、楽だし給料泥棒みたいなもんじゃねーか」とか言われ、行き場のないストレスに一気に6キロ痩せるわ、生理は止まるわ、そこへ付け入るようにちょいワル系の他部署のヤリ手課長は下心まんまんでアドバイスに来るわ、そんな意味不明の新人時代。…ああ懐かしい。フレッシュマンよ、それは通過儀礼だよ。意味が理解できない下積み時代って、それなりに大切なんだよね。その時に得た知識やパシリで得た人脈って、意外にその後に活きてくるし。
閑話休題。後半のパリコレ陰謀劇は映画オリジナルの展開で、それはそれでかなり展開速すぎながら面白かったんですけど、ここで一気に上司の鬼編集長に人間味を持たせたせいで、逆に主人公が仕事を辞める過程の心理描写の詰めがすごくわかり辛いんだよね。ここでメリル・ストリープの良さが存分に出てるのは事実だから、まあご愛嬌の範囲内ともいえますが。ともあれ久々にアメリカンヴォーグを読みたくなってしまった。