一人上手のブックレビュー

15:30からは本社で会議なんで今日は直帰だなー、残業はできんなー。というわけで何食わぬ顔で朝から粛々と仕事。っていうか台湾思った以上に寒くて風邪ひいたけど日本はもっと寒いよ…。
昨日の日記で「ひとり旅は苦手」と書いた私ですが、いわゆる大都市圏でふらふらするだけなら全く平気です。別に一人で乗り物に乗ったりするのも平気。東京出張とか頻繁にしてた時期あるし、そもそも通勤で毎日往復合計3時間は乗り物に乗ったり待ったりしてるので、だいたい4〜5時間は音楽聴いたり本読んだりメール打ったりしてれば過ぎちゃう時間、と断言できます。特に今の部署に転勤してからは、また本を読む事が増えたかも。荷物がただでさえ多いから文庫かせいぜい新書、雑誌ならアエラか週間文春か新潮かSPA!が限度なんだけどさ…というわけで、今回も文庫本を一冊買って飛行機に乗り込んでました。タイトルは『となり町戦争』。
この本、ハードカバーが書店に平積みされていた時期から気になってたんだけど、読んだらストーリーはその名のとおり、小さめの地方自治体同士が戦争をする、というもの。淡々とした文体、シュールでちょっと怖い展開、余韻を残す結末は春樹チルドレンってやつか。同系統の新人の作品と比べてみた印象は、『リアル鬼ごっこ』よりは文章上手くて『バトル・ロワイアル』ほどのインパクトはない代わりにサラリと読める感じ。書き下ろし番外編付の文庫で読む程度の価値はアリだと思うけどなー。映画化もされるそうですが、逆にそこまでする価値があるかは微妙なところ。
ちなみに私の習性に、本を読んでてごくたまに「この登場人物をドラマでやるなら●●(芸能人の名前)だ!!!」と唐突に閃く、というのがあるんだけど、私は今回、「町役場総務課となり町戦争推進室勤務・香西さん」というきわめて現実感の薄いヒロインの女性を、何故だか完全に小西真奈美にしていました。個人的には、桐野夏生『柔らかな頬』を読んでいて、「この、主人公と行動を共にする末期ガンの刑事は間違いなく豊川悦司だ!!!」と思った以来の閃きなんだけど、どうやら実際の映画版で彼女を演じるのは原田知世らしい。キャスティングがついつい思い浮かんじゃう本はあまりないから貴重なんだけど、トヨエツ(これも他の人が演ってた)と言い、なかなか世の中上手く行かないものだわ。