トップブリーダーは遠かりき

夜、E子から電話。内容はかいつまんで言うと、「憎からず思っていた昔の男友達が結婚してカッコよくなっていて非常に悔しかった!!!」。
えーとE子がその昔というか学生時代後半から社会人になってしばらくまで、ハタから聞いてても微妙な関係だった男友達と数年ぶりにランチをすることになったんですね。E子が丸の内界隈の日系証券のシンク部門に転職したのを知った、D男(仮名・別の日系証券会社から系列のインベストメントバンクに出向中)が「近くにいるならランチでも」と誘ってきたらしい。ちなみにD男くんは、昨年、2才年上の元同僚一般職女子と結婚済。私は「アイビー」と聞いて辛うじてそれがInvestment Bankの略だってわかる程度の金融音痴なんでそのステータス等はよくわからないんですが、端的に示すと内容は下記の通り。

① 相手の客先がどれもこれも聞いたらわかるようなでかいとこだらけで、何やらカッコよさげ
② スーツの着こなしが非常にカッコよい。元々アゴストとかヴィアバスを愛好しているゲイテイストのフェミ男だったからセンスは良かったのだが、男らしさが加わっていた
③ 会話もスマートで、切れがある
④ さらに会話の端々に、奥様への愛情に満ち満ちている
⑤ 最後、「客先への通り道だから」とタクシーを呼び、E子を会社の前まで送ってくれるなど、さり気ないヤンエグ(死語ですが)&レディーファーストっぷりも披露

「なんか悔しい〜」と叫ぶE子。 仕事柄(田舎、工場、スーツを着てる人とはほぼ無縁)お洒落にスーツ着て東京は大手町だか丸の内だかの高層ビルで働いているというだけでウットリ☆してしまう私などは、彼女が日頃関わっている金融マンや商社マンなどどれを見てもあっさりカッコよく見えてしまうことうけ合いなのですが、どうやらD男くんはその中でもハイレベルだった模様。「よくわからないフェミ男」時代から予測はできるものの見事に成長した様を見た衝撃は、想像に難くありません。「奥さんが上手に育てたんだろうか」「それとも職業柄ああなったんだろうか」「結婚、という一大イベントを乗り越えれば誰でも身につくスマートさはあるかも」「やはり今手が届く物件を育てるべきなのだろうか、しかし育つのだろうか」等、我々は非常に盛り上がりました。つまり、既に完成されているものの少々敷居が高くてアクも強く、さらに健康すら損なっている恐れもある30前後のおされエリート君よりは、若くて有望な男子を「育てる」事こそが、理想のダーリンゲットへの近道なのでは…という話。「有望」のサマリーは下記の通り。ちなみに私とE子の『理想のダーリン』は、一昔前のJJの1ヶ月コーディネートに出てきた『社会人の彼★』が原風景です。安直で悪いか。

A. やはり、育てるといっても限度があり、あまりにも関心のない男をおしゃれさんに育てるのは無理がある
B. 26才くらいには、既に「育つ」「育たない」を見抜くことくらいは可能
C. 結婚を経ると多少はレディファーストは身につくが、やはり本人の性質によるものが大きい
D. 強いてステータスを並べれば、大手企業で法人営業をやっている私大経済学部か法学部卒あたりが共通点か

…しかしながら、既に「育てる気力がない」という事で我々の意見は一致を見たのでありました。トホホ。ちなみに私、幸か不幸かE子みたいな思いをした事ってないのよねー。結婚して所帯を持った元彼と飲んでも『コイツは妻と子を養いさらにはマンションまで買っているのに、私はこのようにただフラフラとお金だけ消費して遊びまくっていていいのか』という自己嫌悪と将来への不安を感じるだけで、『しまった!!!』とは思わなかったし。概ね私の周囲の既婚同世代男たちって、所帯臭くなったり太ったりしてさらには家も建ててローン地獄で、それでいてプチ浮気プチ不倫にうつつを抜かしてるから。ホント、全部満たしてる人は流石に少ないけど4項目のうち3つは当てはまってるんじゃないかしら、みんな。いいなあと思える点と言えば、せいぜい「家庭」を持つ事によって多少落ち着いた雰囲気が出てきたくらいなんだけど、でもそれくらいは誰でも大丈夫…と思いたいんだけどなあ。