全力ウェディング・反省文

moeringal2011-10-13

誰だっておめでたい席には準備万端、一点の曇りもヌケモレもない気持ちで臨みたいものだと思う。しかし今回、ここまで暇だったにもかかわらずなかなかそうは行かなかった。無礼もあれこれとした。中でも、公的な場で相当「どうなんだろう」と思うこともしでかしてしまったので、反省の意も込めて残しておこうと思う。


新調した服にはどうやらアップスタイルよりもそのまま髪を下ろした方がいい意味で隙のある、ぶっちゃければホステスっぽくなり過ぎなくてよさそうな感じだった。しかし生憎、今の私の髪は微妙にパーマのとれた、しかし癖があるので美しいストレートヘアには程遠い髪(本格的に海外生活を始める前の年末にしっかりパーマをかけたいから、今回はかけられなかった)。

…というわけでホットカーラーで巻こうかとも思ったのだが、生憎私はコテもホットカーラーを持っていない。かつては名古屋嬢オーエルを気取っていたので当然所持していたのだけれど、ホットカーラーは壊れたまま放置し、コテは重くて使う気になれなかったからデジパーが定着した時点で捨てたのだ。そんなわけで今回は、会場に程近い場所にある、安価でのセットやブローを売りにしたヘアメイクショップへ行くことにした。オーエル時代、爪のファイリングだけお願いしたことのある、まったく知らないわけではない店なので、特に心配はしていなかった。


花嫁に聞いた(当日は受け付けも兼ねていたので)会場へ行くべき時間は14時30分。髪を巻く程度のヘアアレンジに関して店が提示する所要時間は10分。店から会場まで、長く見ても10分。そして、店から言われて予約した時間は13時40分。スケジューリング的には余裕もあって理想的だったと思う。


ところが、実際に予約時間の少し前である13時30分ごろ、店に行った私は呆然とした。いつ行っても適度に空いていたはずの店に、ザッと見て10人は待っている客が並んで座っていたのだ。もちろん全員、披露宴か2次会に出席する服装。それに対し、ヘア担当者は5〜6人程度。…何だこりゃ。


当然、予約した時間になっても名前が呼ばれるはずはない。10分経過。20分経過した時点で痺れを切らし、受付担当者に「どうなっているのか」と聞いたところ、彼女はいかにも冷静な調子で答えた。「申し訳ございません。本日お客様が多くてお待たせしております。お客様よりも早いお時間でのご予約のお客様がまだいらっしゃいますのでもう少々お待ちください」…何のための予約なんだ、それ。しかも私は予約するときに「遅くとも14時15分には店を出たいのだがそれに合う時間は取れるか」と聞いたはずで、先方から大丈夫だと言われた時間で予約を取ったはずなんだけど。


14時10分を過ぎた時点で、ついに悪い癖が出てしまった。思いっきり、受付担当者に詰め寄ったのだ。どうなっているのだ。14時15分に店を出られないなら、他の店を探していた。話が違う。「お客様が多い」なら、予約を受けるべきではない…等。大声ではないけれども、嫌味たっぷりな口調は「ハレの場に臨む」というハレの空気と喧騒ばかりがあるその店の中において、明らかに異質。自分だけが思いっきり負のオーラを出しまくっていた。


最終的にスタイリングが始まったのは、予約時間から40分遅れの14時20分。私に文句を言われた受付嬢が気を利かせてくれたお蔭でカーラーを巻いてもらいながらクレジットカード決済を済ませ、店を出たのは14時28分。会場に着いたのは14時35分。もちろん遅刻。出来上がった髪は結局、自分でホットカーラーを巻いたのと大差ない出来栄えだった。きっときちんとしたセットならさすがのプロの出来だったようなのだけど、スタイリングだけなら五十歩百歩。これなら3倍の金額を出してでも会場のホテルの美容室に行っておいた方がずっとよかった。


さらに恥ずかしかったのは、披露宴会場の他のテーブルに、ヘアメイクショップの受付に詰め寄る私を「場をわきまえない人ね」と言いたげにジロリと見ていた他の待っているお客さんが座っていたことだ。しかも新婦側。ああ、何てこと。大好きな友達の、きっと彼女の大切な人の前で。穴があったら入りたかった。


ああ、本当に嫌だ。私だってそんなクレーマーみたいなこと言いたくないのだ、本当は「まあ、混んでるのね。お店の人も大変ね」なんて言ってゆったり待って、新婦にはそれはそれでエレガントに謝ってみせたいのだ。言ったら言っただけ、私だってどんどん落ち込むだけなのだ。しかも言ったところで順番が早くなるわけでもないわけだし。


…反省の意を込めて、ホットカーラーを買ってきました。っていうか、その安価なヘアメイクショップの1回のアレンジ料金とほとんど変わらなかったよ。バービーブランドのライセンス品で可愛いし。最初からこうして、家で巻いてくればよかったんだよね。そんな、自分も含めたいろんな人が嫌な思いをするなら。


それにしても、エレガントで余裕ある南米コマダムへの道は遥か彼方。(とりわけ時間にルーズな南米だけに、ねぇ…)