今週末は名古屋にいます

「30代のうちにもう一度東京(首都圏)に住みたい」なんて思っていたけど、現実は甘くない。思い知ったのは、東京を離れてから流れた時間の長さ、ブランクの大きさだ。なにかイベント(教授の退官とか同窓会)でもあればともかく、余程仲のいい友達でもない限り、今さら旧交を温めるのは難しい。
加えて、当初の求人とは大きく異なる仕事に回されたせいで、使える時間は激減。余程仲のいい友達とだって、予定を合わせるのは至難の業だ。何回か平日の食事会を企画しても、結局私は毎回遅刻ばかりで、次第に誘う事も誘われる事も減っているし、再開したフラワーアレンジメントも結局挫折した。
夫は比較的家事も手伝ってくれるけれど、何しろ私は情けないことに実家時代は全面的に親に頼りきっていたので、精神的に余裕がないと片付けひとつ満足にできない。だから夫も苛立たせてしまう。
一日の大半を過ごしている会社の環境も決して良くはない。内定時に社長が言った、「僕だけ悪人で、あとはみんな善人の会社」は少し当たっていてかなりの部分外れていた。実際は、上辺だけフレンドリーを装った人ばかりで、誰が何を考えているかさっぱりわからない。数少ない「誰が何を考えているかさっぱりわからないよね」と言い合える同僚にしたって、結局のところ隠している部分も多いように感じてしまう。少なくとも立場の近い一人は私の夫について何も聞いてこないし、彼女の恋愛関係について立ち入らせないオーラを漂わせているから、私も敢えて聞けない。
夫としか本音の会話をしない生活が続いて、もちろん彼を信用しないわけではないけれど、何となく第三者の話がどうしても聞きたくなって、だから今回、夫が仕事で私が休みになるタイミングで実家に帰ることにした。夫が何となく嫌そうなそぶりを見せていたからギリギリまで迷っていたけど、結局、「淋しい」というだけで「帰らないでこっちにいてよ」とまでは言わなかったし。
というわけで、今週末は名古屋にいます。久しぶりにゆとりを持って、女友達(独身もしくは新婚。子持ち勢にはさすがに連絡がはばかられた)と食事できて、家事のことも考えずに済んでハッピーハッピー。っていうか結婚直後に夫の機嫌を損ねたのをきっかけに、仕事が長引いた場合を除いて21時台には電車に乗るようにしているので、22時台まで女友達と心おきなく本音トークできている事実にちょっとドキドキしていたりする。こんなの、結婚前は週に2回はしていたんだけどなあ。不思議だなあ。

ドキドキするようなことをしている代償として、いろいろなことにいろいろな部分でひずみが出る。夫はそんな私に、いろいろな部分でいろいろ失望しているらしい。「ひとりが嫌で結婚したのに、こんな筈じゃなかった」「子供が産まれたわけでもないのにこんなに頻繁に実家に帰るなんて思ってなかった」「毎日一緒に昼を食べている入社以来の先輩に『結婚一年目にしてはよく帰るな』と言われた(ちなみに彼自身は授かり婚)」と電話で言われて、「だったらこっち出身の子と結婚したらよかったんじゃない」と思わず切り返したら「そうだね」とあっさり言われ呆然とする。夏休みに夫を置いて旅行に行った事はあったけど、この数ヶ月、お盆と結婚式と夫サイドの用事(もと出向先の親睦会や結婚式)絡み以外で実家に帰っていないはずなんだけどな…。

ともあれ、今の状況はよろしくないのでとりあえず対策を考える。「仕事を変える、もしくは辞めて迷いとストレスを軽減し、かつ家事・趣味合わせた自分の時間を作る」あたりが一番現実的か。こうして明文化しまえば簡単なんだけどな。…何故できないのかは、以下、次号。