ゼクシィはじめました

moeringal2007-05-28

それは去年12月末にこの日記で取り扱ったミスター恋愛から突如届いたメールだった。ミスター恋愛について簡単にもう一度説明すると、三十ウン才離婚歴ナシ、つい先日ハタチそこそこの女子と職場恋愛の末結婚したばかりである。「外人のこども」系の妙に若い顔ではあるものの、よく考えれば犯罪なような。いや、別にいいんですけど。
「ちわー[手の平]今月号のゼクシーに結婚式の写真が載りました[ピース]本屋で立ち読みしてみて[ウィンク]知立ガーデンプラザに小さく載ってます[はぁと]」 …絵文字の乱発具合はやはり奥様の年齢ゆえなのでしょうか。

結婚情報誌の大御所・ゼクシィ。名前もCMも腐る程知ってるけど自分にはおよそ縁のない雑誌。思えば栄勤務時代、セントラルパーク内の本屋でこのテの雑誌をワンブロック丸ごと平置きで積み上げられているのを見て、思わず逃げ出したくなったものである。苦手なんですよねーああいう「幸せ100%!!!」みたいな甘々の雰囲気ってホント(涙)。。。しかし世の中のOLさんには相手もいないうちから愛読してるって人もいるらしいし、ウェディングには興味ないけどウェディングブーケのアレンジには興味あるし、社会・人生勉強も兼ねていっちょ読んでみるか…というわけで生まれて初めて購入することを決意した。立ち読みで済ませないのは、あんな物を手に長々と公共の場に身を置くのはもっとこっぱずかしいからである。
さて、意を決してあまり日頃行かない(=知り合いに遭わなさそうな)大手書店に向かったものの、やはりその表紙の満面の笑顔に私はおおいにビビった。いいんだろうか、こんなの私が買っちゃって。やはりどう考えても身分不相応ではないのか。っていうか店員さん絶対「結婚が決まった割にはこの女、どんよりしたオーラ出まくりだよなあ。若くもないからやっと決まって嬉しいんだろうに…」とか不審がるよな。そんなのタダの病的な自意識過剰だと理解しつつも、結局脳内パニックに陥りかけた私は、苦肉の策として『Oggi』の下にこっそり隠してレジに持っていった。これではエロ本の上に『日経ビジネス』を重ねて購入する大企業管理職のおじさまそのものである。何かなあ…にもかかわらずゼクシィを上にして半透明の袋に入れる店員。何だよー、私のこの繊細なオトメゴコロを見抜いてよー!!! 仕方ないので店の出口でこっそり2冊を入替え、死ぬほど重い荷物によろめきながら私は帰宅した。そう、ゼクシィは重いのだ。Oggiはもちろん衝撃的だったあのAneCan創刊号よりさらに分厚く、重い。別冊も「はじめてゼクシィ・私が花嫁になる日まで」「ドレス・ブーケ&ビューティBOOK」「ゼクシィインテリア」の3冊。これってやっぱり嫁入りで有名な愛知県を擁する『東海版』だからなんでしょうか。Rクルートの方に是非訊いてみたいところである。
さてゼクシィ。巻頭特集「結婚のお金いくらかかるの?どう使うの?」に始まり、とにかく予算関係の記事が並んでいる。そう言えば昔ナンシー関も書いてたけど、ホントお金関係の記事多いよなあ。しかも相当細かい。デキちゃった結婚のアナタ用の下着の標準価格まで明らかになっていて、痒いところに手が届く具体性と言うべきか。 
次点は「いつまでも忘れない!全員参加演出20」を筆頭にした、結婚式の演出関連。どうでもいいけどコレの多くはどう考えても『学生時代のカレと、24才でゴールイン♪ 参加者は新郎側も新婦側も皆サークル仲間!!!』とか『新入社員のときの職場の先輩と26才でゴールイン。同期も皆結婚間近で幸せ一杯☆』みたいなイメージだよなあ。30過ぎてこういう演出はむしろ頑張りすぎでイタいような。っていうか「フツーの結婚式」をいかにも避けなきゃいけないような書き方だけど、フツーじゃいけないのかしら。あと、花嫁から両親への手紙ってやっぱ絶対皆の前で読み上げなあかんの? 一番泣けると後輩も言ってたけど、私だったら恥ずかしさのあまり泣けてくるような…。
最後に広告である。ドレスショップやジュエリーショップや結婚式場やホテルやレストランの記事体広告が延々と並ぶ。広告とは言え重要な記事とも言える。ついでに値段も、概算モデルプランにせよ何にせよ、とりあえずかなり具体的な数字が全てのモノ・コトに対して明示してある。名古屋マリオットアソシアホテルから岐阜・三重のレストランまで、指輪も500万円から5万円まで幅も広い。ちなみに何故か、各社モデルプランは招待客70名で見積もってあるんだけどコレが平均値って事なんでしょうか。
そんなわけで読み終えた私。「アクセサリーは好きじゃないけど、一生モノならこんな感じがいいなあ、石は小さくていいから繊細でさり気なく素敵なやつ」とブランド名も見ずに目を惹いた婚約指輪はハリーウィンストン300万円とかティファニー400万円だったり、「コレなら着てみたいなあ」と思えたドレスはレンタルで80万円だったり、ブーケはどれを見ても全然ハートにヒットせずこれならいつものフラワースクール(高くて有名なH花壇)に特注するよと思ってしまったりとか、まあ自分のラグジュアリー好みにうんざりしました。ドレスやブーケ代は自分だからどうって事ないけど、指輪で未来のダーリンが破産するっちゅーねん。 まあ自分の貯金額は、家さえ買わなきゃもう十分貯まってるなって事もわかったけど。
最後に一応、ミスター恋愛に記事を確認させて頂いた旨メールで報告した。知立ガーデンプラザなどという結婚式場が存在しなかった(その名も「ヴェルサイユガーデン」に改名していたらしい)事に突っ込みを入れつつミスター恋愛の愛する釣りから魚を模したという奇妙なウェディングケーキについて適当に持ち上げておいたところ、速攻で返事が来た。
「そうケーキ鯛のつもり[ニッコリ] ゼクシー買ったんだ[驚] ありがとう。結婚したくなったかな?[動くハテナ] 結婚いいものだよ[はぁと]」

…うーん、そうだ。紙3キロ分のめくるめくゼクシィ初体験を終えてみて一番問題なのは、「やっぱ面倒そう…」といっこうに上がらないどころかむしろさらにどん底まで下がってしまった自分の結婚願望テンションと恋愛モチベーションに他ならない。