モロッコ回顧 〜飛行機〜

エミレーツ航空は、実際はどうあれ何となく新進気鋭って言葉がすごく似合う航空会社だ。最新鋭の機材のファーストクラスの個室仕様はあまりにも有名だけど、エコノミーのシートカバーだってパステルタッチで模様も凝っててきれいだ。最新鋭の機材だと天井に星空キラキラ風蛍光塗料までくっついてるし、機内食のレベルも全般に高め安定だし、完全に女子仕様。
しかしいかんせん、狭い。何が狭いってシートピッチ。「エコノミーシートで航空会社中最も広いシートピッチと最大のリクライニング幅」が売りなのになんで? と思う貴方は甘い。
倒れすぎるのだ。前にデブのアフリカ人なんか座ってしまったら地獄の一言。テーブルも倒れやしないし自慢の機内エンターテイメントも液晶の角度が合わなくなっちゃってよく見れない。おまけにこのリクライニング、新しい機材でもたまに壊れてて角度が固定できず、体重のかけ方次第でガクガク揺れる。おかげでデブのアフリカ人の半分くらいの体重しかない私でも後ろの席の人のジュースをこぼしてしまう始末。ああ、すみません。
とは言えやっぱり、タッチパネルでじゃんじゃん見れる最新鋭の機内エンターテイメントは一見の価値アリ。『スーパーマリオ』があったSQには個人的趣味の世界で負けるし、映画は必ずしも日本語プログラムが揃ってるわけでもないから英語苦手な人にはオススメできないけど、『90年代J-POP』なんてプログラムがあるあたり、個人的にツボだわ。ちなみに映画はこないだ観たばっかの『ホリデイ』に観そびれた『ドリームガールズ』『ディパーテッド』、観に行こうと思ってた公開前の『ラブソングができるまで』までバリバリ観ちゃった。ああ、ヒュー様(← ヒュー・グラント演じるダメ男を観る度に恋に落ちてしまうあたり、私も余程だめんずである)古い映画やディズニーアニメも色々とあって、予習代わりにハンフリー・ボガートカサブランカ』とか、あとオンデマンドなのをフルで使って『リトル・マーメイド』や『美女と野獣』の好きな歌のシーンだけピックアップして観たりとか、まあデブアフリカ人の攻撃と遠視気味な目の疲れと戦いつつ、バッチリ楽しませていただきました。あとバズ・ラーマン監督『ロミオ+ジュリエット』も。「ねえ、何でヴェローナなのに海があるの?」とつられて同じの観てた母が突っ込んできたので「西海岸かフロリダか中南米の街で、たまたま『ヴェローナ』って名前なんじゃない?」と返しといたんだけど、ああ、返す返すも愛すべき変な映画だ。どう見てもアメリカか中南米のマフィア一家のガキの抗争なのに極端にスラングが少ない(案外本気でシェークスピアの原作脚本をほとんどいじってないのかもしれない)から、字幕も吹き替えもナシでちゃんと見れるし、ディカプリオは全盛期の美少年っぷりだし。ああ『ディパーテッド』を先に見といてよかった、後から見たら「美少年、諸行無常…」とか悲しくなったに違いないから(笑)
っていうかねえ、モロッコ遠いっすよ。ドバイまで10時間、ドバイから8時間。街へ下りる程の乗り換え時間はなし。これならやっぱエミレーツじゃなくて欧州経由にするか、さもなきゃドバイまではもっと時間かかっても途中下車して買い物できるSQ使うわ。