浦島太郎の観察日記

1週間くらい出国していると必ず何か一つくらいは日本でえらい事が起きていたりするものですが、今回はなんと言ってもアレでしょう、甲子園のハンカチ王子。毎日毎日朝のニュースショーはめざまし・朝ズバ・時にNHKまで巻き込んでの熱狂ぶり。早実は、大阪桐蔭と当たった辺りで1回見てたんだけど、うーん特に印象ないんだけどなあ。エセ・スポーツ観戦好きとしては決勝2試合を見損なったのは一生の不覚。いやあ、見たかった…。男性諸氏からは「その後の騒ぎで、あのものすごいピッチングの印象がすっかり薄れてしまってかわいそうだ」という声も多い中、気付いたら周囲の女性陣の大半がサイトー君のとりこ。いやはや。以下、リアルタイムで観なかったのが悔しい人間のタワゴトです。
冷静に見てこのフィーバー、どうやらある巨大勢力をかなりイージーに巻き込んで巨大化しているように見受けられる。 その勢力とは「ツネ様層」と「ヨン様層」。
ツネ様」ことサッカー日本代表元キャプテン・宮本恒靖ガンバ大阪)の来歴は非常に女子好み、相も変わらずやっぱり女子は『三高・ハンサム』に弱いのね〜という典型例と言える。スポーツマンという爽やかなイメージ、華やかでイマドキ風だけどのハンサムな顔立ち、同志社大学にスポーツ推薦枠ではなく入学・卒業という硬派な高学歴とそれを裏打ちするかのような丁寧な発言ぶりに英語で審判にキチンと抗議できる語学力。別にサッカーなんかやってなくてもエリート商社マンかなんかで十分行けそうだ。
一方の「ヨン様」。何十年前でも通用する、少々古臭い二枚目の顔立ちに「今時の日本人にいない」と誰もが言う品行方正、真面目、誠実、知的なイメージと発言内容。オーソドックスで上品な派手すぎないファッションもプラス要素。“チョイ悪”と対極をなす安心感と、あと特に「冬ソナ」時のどこか儚げな雰囲気が『忘れかけた青春・純愛』を思い出させてくれる“古きよき王子様”タイプである。
そしてハンカチ王子ことサイトー君はどうだ。名門私立校(早稲田実業はほぼ全員ワセダに持ち上がれる高偏差値校でもある)在学のスポーツマン、早実のレトロなユニフォームに映える上品な二枚目顔(汗を拭く様まで妙に上品)、素直ながら冷静さと頭のよさも垣間見える受け答え、そして何よりもただでさえ儚く切ないイメージの甲子園で、たった一人でマウンドを守りきり優勝したというその実績。 『忘れかけた青春・純粋さ』に加え、近現代ニッポンの実利的願望『三高・ハンサム』まで完全装備して具現化ということになる。 
これって完璧じゃないのか。“お笑い”と“チョイ悪”が席巻する中、日本女性の多くがちょっと口に出して言うのはこっぱずかしいなーと思う一方心のどこかで求めている『スタンダードな王子様願望』が一気にガガガっときたのがこのハンカチ王子ブーム、なような気がする。 (もちろん例外はある。「歌手はジュリー、俳優は竹野内豊、スポーツなら川口能活」と言ううちの母にはまるっきり訴えるものがなく、顔立ちはむしろ嫌い、垣間見える頭のよさも気に食わず、何がそんなにいいのか全くわからないそうだ。私はそういう生理的嫌悪感があるわけではないので、多分試合を見たら惚れていたと思う)
いやあサイトー君、頑張ってね。野球選手としては一旦そのまま早稲田に進学したほうがいいと思うんだよなあ。だって六大学野球とかに憧れて早実に入ったって言うし、甲子園のスターピッチャーってそれで体壊してる人も多いし、何より何となく駒大苫小牧のタナカ君の方がプロ受けする気がするし。あと女性ファンとしてもその方がいいと思うんだよね。ほら「別に野球なんかやってなくても一流企業リーマンで十分行けそう」なバックグラウンドを捨てるのもちょっぴり勿体ないし、『甲子園の星』って結構な割合でダーティな方向にいってしまいがちだし。中には原や松井みたいにそのまま突っ走る人もいるけど、だって甲子園時代押しも押されもせぬサワヤカ系だった清原が「番長」になるなんて、一体誰が想像できたでしょう。

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ちなみに今日は会社のたな卸しでした。つっかれたー。