そしてフットボールは続く〜2011年6月5日・JFL第14節 @アルウィン

「なんでレンタカー借りてまでこんなことを…」とオットとぶつぶつ言いつつ（だったら行かなきゃいいのに）、なぜか三たび、松本平広域公園総合球技場・通称アルウィンへ。本当になぜ。そして「トヨタ車なんてねえ」と言いつつ借りたマークXの最新モデルはきわめて絶妙にスポーティかつエレガントで快適。いろいろとありえないことが起きてる今日この頃…。

　
[:W200]

しかし、行ってみたアルウィンは相変わらず大盛況。サポーターはそれでも少ないって嘆いてるけど、観客5,931人って、J2どころかカード次第ではへたな平日開催のJ1より多いような。あと、この間行った長崎戦よりもむしろ多いような。おっかしーなーうちみたいなライトファンじゃない限り、毎試合100人単位で松田の安否を確認すべく来ていそうなマリノスサポーターはいないはずなんだけど、今日は同時間帯にマリノスの試合があるから。…つうか下の写真の青い車、三ツ沢のナビスコはどうした。

実は意外と好きな北信越フットボールリーグ2部こそは今日開催していなかったものの、前日のキリンカップで来ていたチェコ代表が練習してたらしいし（私たちときたら、いつも通り朝9時に着いていたのに車の中で寝こけていてすっかり見逃した。残念!）、駐車場でダラダラしていたら故障中の松本山雅の選手が軽くランニングしているのに遭遇できちゃったり、相変わらず盛りだくさんなサッカーコンプレックス（複合施設のほう）だなあ。

なんか最近いろいろサッカーを観過ぎているし、アルウィンも3回目なんで試合で思ったことだけ覚書。

・試合はまたしても2-2のドロー。松本山雅のDF陣、不用意なミス多すぎ。っていうか今シーズン観に行った試合、山雅以外は全部ホームチームが勝ってるんだけど…三度目の正直、ならず。ちなみに、審判が変なのはもう慣れました。

・「うどん」を前面に出しすぎるブランディングで思わず笑ってしまうカマタマーレ讃岐、ギャグみたいな名前に合わず順位がすごく上らしいんだけど、実際はいかにもアマチュアっていう感じで、テクニックがある人はいないしボールに人が集まりがちだしプレーはラフだし（メインスタンドで見ていたんだけど、ビックリするくらいあからさまに削る選手が多い。実際退場者も出た）、へぇぇぇぇ…という感じ。正直、J1レンタルの若手をうまく使ってる秋田や全体によくまとまってる長崎よりも順位が上だからと言って、決して見習うべきチームではないと思う。せいぜい運動量くらい? でも、サッカーが上手いからってその通り勝ち点が積めるわけではないのがサッカーなんだよなあ。難しいなあ。

　

・そんな中明るいニュースは、ボランチ出場の松田直樹、マリノスのむしろ中澤みたいなガッツリ振り抜くヘッドでJFL初ゴール。ただし、出来としては絶不調。試合前のアップ時から不機嫌、試合が始まってもスライディングはしないし、相手のセットプレーでもろくに競らないし、JFLに来てからの試合の中で飛び抜けてやる気なし。もしかして、ひそかにケガしてるとか?　本当は（本人の意志にかかわらず）休ませたい感じなんだけど、そういう時に限って“千金同点弾!”（2011年6月6日のスポニチ見出し）とかしちゃうんだよなあ。すでに人生で「松田を知ってる時期」のほうが「松田を知らない時期」を上回ってしまっている私の目で見ても、この人の扱いってほんと難しいと思う。

・明るいニュースその2。前2試合ではあまり感じなかったけど、山雅のトップ下に入っていた弦巻はすごく上手い。中盤の北村もボールが落ち着く感じでよかった。Jリーガー上がりの木島(兄)や渡辺以外にも、ギャル男っぽい見た目に合わず常に堅実かつ丁寧に枠内シュートを打つ木島(弟)とか、キーパーの石川（FC東京の石川直宏の弟）とか、正直、個々の力なら昨日観たJ2に比べて全然遜色ないなーっていう選手が山雅にはほんと多い。足元とかそういうところは、そんなわけで上手い選手が揃っていると思うので、ここはぜひ今回の前半見せてたようなポゼッション重視のパスサッカーを敢えてJFLでやって欲しい。ただし、守備はもっと緻密に。怪我してる長身CBの飯田が戻ってくればもう少し変わってくると思うんだけど。あああー、それにしても既に相当山雅の選手をおぼえたなあ。
　

・「10人だった相手に負けるなんて、負けに等しい」って山雅サポーターの人が皆怒ってて、「試合終了後サポ座り込み敢行、GM直談判」とか「嫁も途中で怒りだして応援しなくなっちゃった」とかいろいろあったっぽいけど、昨日の横浜FC対東京ヴェルディを観たあとだと、「いやいやそれでも勝ち点1が積めただけマシだよ」と私は敢えて言いたい。だって、33節中実質8節終了時点で、昇格圏の4位との勝ち点差は4、2位の佐川急便とでも6しかないんだもん。絶対この試合とかこの間の長崎戦とかで「勝てる試合だった」と愚痴りつつ“何とか積めた勝ち点1”が効いてくる場面があると思う。おそらくサポーターの人たちのあの絶望感って、全14節しかない地域リーグのイメージが強いんだと推測するのだけど、たとえば去年のJ1の記録を見てみると、最終的に3位だったセレッソ大阪の8節終了時点（香川とか家長がまだいた時期）での順位は13位とかだったわけだし、そんなに一喜一憂してたら精神的に正直持たないよね。次からアウェーが続くみたいだけど、もういちいち騒がず、とりあえず7月3日のアウェー信州ダービー（AC長野パルセイロは現在4位）にだけは絶対に負けられない!!!!!!!　あとは気にしない、というヨーロッパクラブっぽいマインドで、案外いいのではないでしょうか。しかし今度の信州ダービー第2弾、長野のグラウンドが狭いから松本・長野両方でパブリックビューまでやるんですって。ローカル限定TV中継の解説ゲストが川渕三郎キャプテンなんですって。何というか色々、すごすぎる。

・それにしてもアルウィンの絶妙な規模と傾斜といい、サポーターの美しく情熱的な応援といい、ほんとうに魅力的なクラブだと思う。そうじゃなきゃ私もオットもこんな300キロ近く離れたところでやってる3部リーグの試合にこんな短期間で3回も行かないよ!　松田松田って言ってるけど、松田がいなくなっても、たぶん絶対行きたくなるような気がする。

・最後にマツさん、JFL初得点おめでとう!!!　予想より早かった!　ビザの発給が遅れるとわかった瞬間「やっぱりカマタマ君には行くしかないなぁ、レンタカーで…」としきりに言っていたオットも、「もうこれで未練なくブラジルに行ける」と喜んでいたぞ!　私も本当は三ツ沢でやってたマリノスのナビスコのほうが観たかったんだけど、わざわざ行った甲斐があったよー…マリノスは後半ロスタイムで追いつかれたらしいんで、後味なんかも含めて。地域の気質とかもあるからなかなか難しいとは思うけど、教育県・松本の人たちにも早く愛される存在になりますように!

≪後日談≫　そのわずか2日後、松本山雅は監督を解任。後任は暫定なのか何なのか、もともとのGM。試合終了後のサポーター座り込みが効いたのかスポンサーが騒いだのか知らないけど、なんか、場当たり感が否めないなあ。「これだけ金かけて選手取って、当初の目標を優勝にしてたくせに昇格圏はおろか12位かよ!!!」というところなんでしょうけど、でも、33節中（震災でソニー仙台が前半を捨てたため1試合少ない）8節終了時点でホーム2勝1敗2分…っていう現状での対応としては、個人的には正直微妙。正直、開幕戦とかの負け試合から、今の監督がベストだとは素人目にも思ってはいなかったけど、シーズン途中での監督解任っていうのは、もっとシーズン後半・降格争いの真っ只中ってパターン、あるいは前半なら開幕以降勝ちなしっていう展開での最終手段だと思うので…。ノルマだ何だって話もあったようだし、クラブそれぞれのやり方があるので何とも言えませんが、それでも主要メンバー入れ替え（もと日本代表だろうが年代別代表だろうが格上リーグだろうが、そのあたりは実は関係なし）、かつ怪我人続出、という状況でも開幕早々から常勝軍団で突っ走れるほど、日本の3部リーグって簡単な世界なんでしょうか?　いずれにしても何かと気がかりな動きを見せてくれるクラブなので、もう少し見守っていこうと思います。観戦は難しいけど、夏も親を巻き込んで行けるといいな…。

【cafe matka】 アルウィンからは遠いのだけど、車でアルウィンに来て松本に一泊してお城を見て帰ろうかな…みたいな人によさそうな立地（松本城から高速の松本インターまで行く間にあって、お店の前にちゃんと駐車場も借りてる）の古民家カフェ。靴を脱いでスリッパをはく形式と言いちょこちょこと隠し味みたいに置いてある小さな置物と言いギターポップのインストと言い、カフェブーム初期に裏原宿のアパートの一室にあったような“部屋カフェ”を思い出させてくれるゆるくてかわいい空間なのだけど、ここの良さは、席数の割に面積が広くて天井が高いこと。置いてある本を眺めるもよし、本当にのんびりできます。営業時間は、18:00まで。
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