R-20推奨ディズニー・プリンセス

最近、宣伝のイメージに比べて予想以上にエグい映画ばかりが続いていたので、今度こそ甘い映画を!!! という事で、映画魔法にかけられて』(原題:Enchanted)を見てきました。ディズニーですよ、プリンセスですよ、これで甘くないわけがなかろう!!!

…えーっと、オトナ向けの映画です、これ。

逆に子供やディズニーを崇拝する人は、あんまり見ないほうがいいかも…。可愛いしハッピーだし私は好きですけどぶっちゃけて言うと、『動物と仲良しの明るく美しい女の子が運命の王子様と出会い結婚し、いつまでも幸せに暮らしましたとさ』というディズニー・プリンセスのセオリーに、ディズニー自らが真っ向から立ち向かった映画です。アニメの中のプリンセスがいきなり現代のNYに飛び込み大混乱!!! という事でアニメあり・実写ありのカオスぶりといい、ガラスの靴や毒リンゴも登場したりと、明らかにセルフパロディ。何しろ『大勢の動物とどんちゃん騒ぎで歌い踊りながらお掃除をする』という定番系(リトルマーメイドの“Under the Sea”とか美女と野獣の“Be Our Guest”をイメージして下さい)シーンも何しろNYアップタウンのタウンハウスが舞台なだけに鳩やカラスに加えゴキブリやハエまで登場してしまい、かなりフィルターかかってるもののゴキブリ嫌いにはたまらない映像だし。いやあ、やりすぎだろ、これ。あと絵に描いたような熱血漢でさわやかな「王子様」は現代社会においては単なる暑苦しい天然ボケでこれまた笑えるけど、いやあコレってなんか松岡修造・長嶋一茂って感じじゃないか、とか。彼らってホントに王子様なんだなあ。
もちろん一方では『ハート型のお花のリースを2羽のハトが加えて恋人の元へ持っていく』みたいなロマンチックシーンも可愛らしく再現。もう一度ロマンや純愛を信じる気にもなれるし、全員ハッピーエンドだし、子役も可愛いし、アラン・メンケンのミュージカルナンバーは王道突っ走ってるし、ディズニーエッセンスもたっぷりです。安心して見られます。しかし、隣の席のカップルの男性が「つまりコレってス●ッピングって事か!?」とあられもないコメントを口にしていた通り(それはあまりにもひどい例えですけど)、とりあえず全員ハッピーとは言え一筋縄の展開ではない。終盤の悪い魔女の行動は非常に矛盾しててちょっと破綻してるし。そもそもヒーローはバツイチ子持ちの離婚弁護士だし、まあ、やっぱりこれは大人のロマンチック・コメディだなー。年頃の娘さん同士で見るもよし、デートで突っ込みを入れつつ見るもよし、暴力とセックスはないからR指定はないけど20才超えてるほうが圧倒的に楽しめる映画だと思われます。